第31話 旅支度5

「あら、ハイネス。どうしたのよ」

「どうもこうもあるか。たけぇ、たけぇよ」

「それはそうですよ。アンブロシアですから」


僕は、ウェストポーチから無属性であるクリスタルの花が付いたアンブロシアを取り出す。

それを、キアナとケイアスに渡す。


「まぁ、クリスタルの花。

ケイアスさま、これですと」

「うんうん、これだけで花の価値が上がりますね」


再び、2人の話し合いが始まった。


「ご主人様、楽しんでません?」

「まあね、これで旅費も潤沢だな」

「まあ、そうですけど…ハイネスさま、お気の毒に」


ハイネスは、天井を見上げて真っ白に燃え尽きていた。


「大金貨にまで届きましたので、馬車も選び放題ですね」

「なるほど、確かに」

「あら、馬車をご所望ですか?商業ギルドでご相談に乗りますよ」


キアナが、話を区切って僕らに話しかけてくる。

確かに、馬車は商業ギルドの管轄だろう。


「それと…冒険者ギルドでの買取はちょっと大変みたいですから一部オークションに出すことをお勧めします。

特にこのクリスタルの花は、観賞用としても評価されそうですから」

「僕としては、こちらも使ってみたいんだけど」


口を尖がらせて、抗議するケイアス。


「ハイネスさん、冒険者ギルドの現在の最大買取可能額はいくらですか?」

「ああ、ギリギリで1,000,000リジェだ」

「あら、7色の総額の1/4じゃないですか…仕方ありません。

商業ギルドで買取させていただきます。

ただし、冒険者ギルドで買取ができない分の3/4はオークションに回してもよろしいでしょうか?」


無い袖は振ることはできないだろう。


「あ、もちろん。馬車や旅に必要なものはサービスさせていただきますのでご心配なく」

「あ、それなら錬金ギルド・薬師ギルドにも登録してくれたらアンブロシアで今後作成されるものの利益分配させてもらうけどどうでしょう」


目が、お金な2人に詰め寄られる僕。

ちょっと怖すぎる。


「では、今回は500,000リジェで冒険者ギルドの買取と商業ギルドで500,000リジェの買取というのはどうでしょうか。

商業ギルドでは、旅支度に必要なものを色を付けていただくというのは」


シトゥルが、話を纏めに入った。

冒険者ギルドにも、儲けは必要だろう。


「商業ギルドはそれで構いませんよ」

「ああ、冒険者ギルドもそれで…お願いします」


ハイネスは、キアナに睨まれている。

蛙を睨む蛇のようだ。


「では、錬金・薬師ギルドからは5%の利益分配でどうでしょうか?」


ケイアスが、そういった。

5%が多いのか少ないのかよくわからない。

でも、確か万能薬の材料だった気がする。

その利益で、5%って相当な金額のような。


「異論はありません」

「はい、いやぁ。いい取引ができました。

では、錬金・薬師ギルドでも登録をしておきますね。

商業ギルドと同じフォーマットなので急ぎやってきますので」


そういうとケイアスは部屋を退室していった。


「じゃあ、俺もちょっと調整してくるわ」


そういって、ハイネスも退室していく。


「シトゥル殿の采配助かりました」

「いえいえ、商業ギルドとしては大丈夫ですか?」

「はい、もちろん。

それと、アンブロシア一部販売も可能でしょうか?」

「はい、構いませんが…」

「きっと、薬師ギルドから追加購入がありそうなので。

もちろん、信用問題もありますので変な所には卸しませんのでご心配なさらぬよう」


確かに、薬は毒にもなる。

使い方を間違えると大変なことになるだろう。


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商業ギルド・錬金・薬師ギルド、冒険者ギルドから買い叩く

冒険者ギルド 原価仕入れで原価販売の危機

大半の所有権は、商業ギルドにあることになる

オークションの主催も商業ギルドになる

キアナとケイアスは原価で仕入れ

キアナは、物々還元&オークション利益の補填、年加盟税の免除

ケイアスは、利益分配

聖には、利益になる

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