第1章 太古の火
第24話 現状1
僕とシトゥルは、自宅である郊外の一軒家へと戻ってきた。
2LDKのちっちゃな木造の家屋だ。
「はぁ?1人でダンジョンに行ってた?」
シトゥルは、凄く不満そうな表情を浮かべていた。
手に持っていたエールの入ったグラスが、ドスンっと音を立ててテーブルに叩きつけられる。
「昨日の夜娼館…」
そう言った時、冷え切った眼差しを唐突に向けられた。
金色の瞳にある瞳孔が縦長に細くなる。
ドラゴンの魔眼。
殺気がビンビン感じる。
「えっと、夜中にちょっと出掛けようとして朽ちた塔の前を通りかかったら迷い込んだみたいなんだ」
「そんな、落とし穴に落ちるようにダンジョンに行かないでよ。心配するじゃない」
僕が、現実世界化した『ゴッド・クロニクル・オンライン』へやってきたのは…あー、インスタンスダンジョンに居すぎて時間の感覚がわけわかんなくなってるな。
確か、3日前…そう3日前だ。
この家も借家である。
「ご主人様、この家借りるときに有り金全部使ったのによく
痛いところを突くな。
いや、それよりもこの串焼きは。
「串焼きは、ご主人様探しながら森で狩りしてしっかり稼いだお金で買ったわよ」
流石、腐ってもドラゴン。
前日に、冒険者ギルドに登録を済ませておいてよかったな。
「それで?その装備はインスタンスダンジョンで手に入れたの?」
「ああ、そうだね…スライム600匹と戦い抜いた末手に入れた装備さ」
「ぷ、スライムってあのスライム?
雑魚600倒したくらいで手に入るなら私いまちょちょっといって狩ってきてあげるわよ」
シトゥルは、笑っていた。
こっちは、短剣1本。
刺突オンリーの鬼畜ゲークリアしてきたの…。
「じゃあ、シトゥルはいらないと」
「え?他にもあるの?私も欲しい。
私にもっと贅沢させてよ、ご主人様」
マナスライムと戦っているとき。
僕の使わない装備や女性ものの装備が出たことがあった。
Hack&Slash《ハクスラ》要素なのかと思っていたが、きっとシトゥル用の装備だったのだろう。
僕は、テーブルの上にストレージカードの中身を広げていく。
僕の装備とは対照的に白を基調とした装備である。
所々に、シトゥルをイメージしているような模様が刻まれている。
ただ、殆どが僕の装備と同じデザインである。
「へえ、いっぱいあるのね。
じゃあ、私が使っていいのよね?ご主人様」
「うん、もちろん」
僕は、装備の一式をシトゥルに渡す。
彼女のステータスは、かなりばらつきがある。
というよりも、僕のステータスが均等すぎるともいえるが。
ただ、インナーやズボンの予備とかはなくあるのは防具の予備ばかりだった。
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シトゥル・・クワイエット・ドラクレア
レベル5
HP 2000
MP 5000
攻撃 500+1
防御 200+6
器用 20
敏捷 200
魔力 500
幸運 20
武器 ???のナックル 攻撃+1
防具 セーター 防御+1
防具 キュロット 防御+1
防具 タイツ 防御+0
防具 ???の外套 防御+1
防具 ???のブレストアーマー 防御+1
防具 ???のウェストバッグ 防御+1
防具 ???のブーツ 防御+1
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