知らぬところで…
◆◆◆ (side朱里)
あれ? なんか意識が飛んでた気がする。
私は、そう不思議に思って時計を見た。
すると、一番最後に意識があった時から4時間以上もの時間が立ってることに気づいた。
もしかして寝ちゃってた……?
最近疲れ気味だし、それで眠気に負けちゃったのかもしれない。
……私の前にはちゃんと二次試験合格と書かれた紙が置いてある。
よかった、夢じゃなかったんだ。
これが夢だったらどうしようかと……
でもまだ最後の面接が残っている。
ここで燃え尽きちゃうのは良くない。
もっともっと頑張らないといけない。
よし、学校の宿題をしっかり終わらせて、ご飯でも食べることにしよう。
そう思って学校の宿題を机の上に出して取り掛かろうとしたのだが、消しゴムはあるのにシャーペンだけが見当たらない。
あれぇ? 確かにここに消しゴムと一緒に置いてたはずなんだけど……
おかしい……なんでか分かんないけどシャーペンがない……
机の下を見てみるけれど、シャーペンは落ちていない。
そうしてシャーペンを探し始めてから5分くらい経った時、不自然な位置に転がっていたシャーペンを見つけた。
見つけた! 全く……こんなところまでは流石にシャーペンでも転がらないでしょ。
そもそも転れるほど綺麗な丸じゃないし。
不思議なこともあるものだなぁ、と感じた。
最近不思議なことが多い気がする。
◆◆◆ (VTOPにて)
ここはとあるVTOPというVtuber事務所のとある一室。
会社のの重鎮らしき面々が一堂に会していた。
どうやら、面接を前にどの候補者に期待しているか等の話をしているようだ。
勿論、二次試験を突破した朱里についての事もそこそこ話されている。
その時、部屋の奥の方にいた男が皆に聞こえるような大きな声でこう話し始めた。
「いやー今回はかなりの逸材が集まっていますね。1期生が活躍してくれたおかげか応募者も多かったですからね。」
こうご機嫌な様子で話しているのはVTOPの社長である
VTOPの重鎮には元Vtuber、もしくはそのマネージャー等のVtuberに関係した仕事を前職としていた人物が殆どだ。
そして、社長である岩村も例に漏れず、前職がVtuber関連の者である。
岩村は元々チャンネル登録者数100万人越えのVtuberとして活躍していた。
そのためVtuber界隈では顔が広い。
VTOPが1期生をうまく出すことができたのは彼の力によるものが大きいだろう。
「そういや二次試験突破者の中に松井朱里さんっていたじゃないですか……。俺、あの人からちょっと気になる手紙をもらっててね……」
周りが急にざわつき出した。
「合格にしてくれとか書いてきたのか!?」
というような驚きの声も上がっている。
「まあまあ黙って?ちゃんと説明するから。」
「なんかね、うん、俺もよく分かってない。なんとなくは分かるんだけどこれが本当だとちょっと大変なんだ。」
そして岩村が読み始めた手紙の内容に一堂は困惑していた。
「それが本当だとするとデビューさせた時に人格が入れ替わるって事もあるという事ですか?」
そう聞いてくる者もいる。
不安……とまではいかないようだが気にはなっているようだ。
「面接で本人がどんな人間か、本当だとしたらもう一つの人格がどんな性格なのかしっかり判断しないといけなくなる。」
「でも本人が別の人格に気づいていないっていうのはマズイかもしれない。」
「何よりこの手紙を出してきたもう一つの人格に興味が湧いたよ。」
この言葉により、再び場がざわつき出した。
朱里は自分の知らぬところで若干、
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解離性同一症の人は多くの場合、解離性同一症であることを隠そうとします。
(MSDマニュアルより)
主人公は解離性同一症では交換人格と呼ばれる人格となりますが(この作品では副人格と表記しています)、ここまで動くのかどうかは僕の知識では分かりません。
あくまでも小説の中にテーマを入れているだけなので…
もう少し詳しくなりたいですね…
ていうか今Vtuberで登録者が100万人を超えてる人って100人もいないんですね。
うーん、知らなかった。
2024/11/28 一部表現を修正
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