どうしたものか…
自分がこの高校生1、2年生くらいの少女?のもう一つの人格になっている。
自分の置かれている状況は分かったのだが、これから俺はどうすればいい?
目の前に置いてある紙には何かのオーディションの二次試験を突破したと書かれている。
VTOPって男子高校生として生きていた時に友達から聞いたことがある気がするけれど、思い出せない…
なんでこんな大事な時に思い出せないんだよ! いっつもこうだ。
まだ大事なことを忘れてしまうクセが残っているとは…
そうだ! スマホがある。さっきから元々の人格、主人格の様子を見ていた時にスマホのパスワードは操作を見て覚えたからロックを解除することができるはずだ。
知らない女性のスマホの中を勝手に見ていると思うと罪悪感を感じなくもないが、VTOPに関して調べるだけだし大丈夫だろう。(開き直った)
調べてみて確認するとこの紙に書いてあるVTOPは友達から聞いていたVトップとは別物だったということがわかった。
友達が言っていたのは塗料のことだ。全く紛らわし……ん?
俺はスマホの画面を見てある違和感を覚えた。
俺が生きていたのは20●▲年だったはずだ。しかしこのスマホには20▲■年と表示されている。
まさかここは俺が生きていた年より十数年先の世界なのか?
なんてこった。まさか地味に未来だとは思ってもなかった。
だめだ頭が痛くなってきた。とりあえずもう少し考えよう。
どうやらこの紙に書いてあるVTOPとはVtuber事務所のことのようだ。
最近できたらしく、たった十数年とはいえ過去の人である俺が知らないの当然だろう。しかも俺はVtuberというものに詳しくない。
ていうかそうだったら俺の存在って邪魔でしかなくないか?
この人格の入れ替わりが起こるのは多分不定期だろう。
例えば学校にいる時に急に俺が出てきたり、人と話している最中に俺が出てきたりするって事になるのだろう。
マズくないか?え、だってこの紙に書いてあるオーディションってVtuberになるためのやつだよな?
しかも後は面接だけって…
俺って絶対消えた方がいい存在じゃねえか。
主人格に俺の存在を伝えた方がいい気もするがそれでパニックを起こされても困る。
何か、主人格の邪魔にならないようにする必要は……
そうやって考えていると、俺の頭の中に1つだけ考えが浮かんだ。
この考えを実行した時に主人格にどのような影響が出るかは分からない。
けどこれで事務所も採用するとほとんど決めているのであれば、この考えも効果が出てくるのではないか。
それにしても自分がもう一つの人格とはいえ女性の体を使ってるのにここまで興奮もないもしないとは思わなかった。
まあだいぶ健全な男子高校生として生きてきたからだろう。
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