100万人の高校生

第1話坂本ゲーム団

心地よい柔らかな風に吹かれて青空のもとで桜が散り9年間の義務教育を終えた約120人の少年少女が門出を祝うことを想像しながら、僕はベットに横たわっていた。

「ﾊｯｸｼｮﾝ!あ〜あ、ちょうど退場しているところかな、ﾊｯｸｼｮﾝ!」

今日!やっと!中学校というカオスからようやく抜け出せる!と思ったのに。というか一応実際抜け出した。自室のベットの上で。なんだかんだ楽しみだったんだよな、、第2ボタンとか、記念写真とか、。ついてない。そういえば修学旅行も途中で熱出たっけ。

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ　ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ

体温計の音が自分しかいない部屋に響き渡る

38.8℃か。また上がったな、だるいし寒気するし、インフルかな。だめだこりゃ。寝よ。ﾊｯｸｼｮﾝ!sa

ｯﾃﾚﾃﾚレレー

スマホから聞き馴染んだ着信音が聞こえた。う〜ぅん何だ？

「野球部部長兼坂本ゲーム団団長兼昼休みバスケ部副部長兼動画配信者シンジ」からか

暇だし出るか。それにしても何度見てもすげー名前だ

「もしもし」

「もじもじ、」

「お、おう、ユタカ、すんげ喉死んでるけど大丈夫そ？」

「あ゛あ゛　でいじようぶ。ぞげよじぞずごうしじごうがっが」（訳大丈夫。卒業式どうだった？）

「あ、ああ、楽しくは、なかったけど、まあ、そんなもんだ、」

「それより今日の配信でれるかと思ったけど無理そうだな。」

「があ゛。ぎおう゛はだめどぐ」（訳ああ、今日はやめとく）

「りよ」

「あと坂ゲー団員で適当に新企画鯖の整地と資源集めしとくは。くれぐれも無理すんなよ」

「ぎよ。がんが」（訳りょ。がんば）

「じゃ、おつしん。」

「お゛ずじん」

シンジは先輩や同級生、他校の知り合い計7人と坂本ゲーム団（通称さかげーだん）を結成。そしてグループでYouTubeにチャンネルを開設し、シンジの夢でもあったゲーム実況動画を投稿。（ちなみにさかげーだん員の個人チャンネルもある）そして今日は金曜日。つまりさかげーだん全体での配信日だ。まぁ流石に休むけどな。

お、枠たったな。

「通知！今週も21時から2時間マイクラやるよ！今週は前企画振り返り&新企画発表！みてね！」

そういえば前回でエンドラ討伐×100が終わったな。新企画なんやろ。普通に聞いてないな。

「せーの！こんしん!さかげーだんのシンジと、」

「こんにっす!おなじくさかげーだんのりとん」

「どうも！タカラでーす！そして」

「リクでーす」

「ミクでーす」

「ミクリクでーす」

「みんなはろーごっつ！」

「そしてもりさんは体調不良ということで今日はこの6人でやっていきます！」

「そして前回ついに！エンドラ討伐専用鯖でエンドラ討伐×100がついに終わった！とういことなんですけど、改めて考えるとやばかったねw。初討伐がごっつだっけ」

「そうそうそこまで3日かかったからね」

「そのあとミクリクが3連続で失敗して、タカラが失敗して」

「もーー仕方ないじゃん初心者なんだから！」

「そうそう！」

「で、やばいやばいってなって全体配信でも討伐始めたのが、3週目？か」

「たしかその時点でごっつが3回とシンタカもりで2回ミクリクで1回」

「でも、そっからは早かったよねー」

「そうそう。やっぱエンチャントが強くなってから楽だったよね。」

「でも、ミクリクは最後の最後まで失敗しかけたけどなw」

「だからーー（怒）」

「はいはい！振り返りはそのへんにして新企画発表行くよ！」

「ちなみに来週末あたりに前企画の名場面集出すからそっちもおたのしみに。」

「じゃ今回の新企画なんだけど、正直過去最大規模になるな」

「え？」

「なになに？」

「みんなってマイクラで馬乗ったことある？」

「まあ、移動するときとかはたまに」

「え〜私ないかも〜」

「ミクもない気がする〜」

「まあ、人それぞれということでいいんだけど。今回の新企画はズバリ！」

ゴクリ。正直多分どの視聴者よりも1番気になってるだろうな。自分もやるのだから。

「ゼロからさかげーダービー開催してみた！」

はぁ？え、競馬？

「え？ダービー」

「ゼロからってなに」

「まあまあおちついて。みなさん！競馬わかりますか？ダービーていうのはいわば競馬界の頂点！僕たちもYouTube界の頂点に向けて走ろうということで！ダービーやります！」

「ﾁｮｯﾄﾅﾆｲｯﾃﾙｶﾜｶﾗﾅｲ」

「ごっつちょっと静かにね。なにをするかといいますと、まず、皆さんで競馬場を作ります。今回はさかげー史上初めての建築系ですね。そして建築ということでいつものワールドではなく、クリエイティブでフラットマップでやりたいとおもいます。そのへんを含めてゼロからというかんじですね。」

ほうほう。建築か。シンジも攻めたな。

「そして、競馬場を作り終えたら、馬を育成します。といっても、マイクラ内の馬は実は1頭1頭速さが違うので、個人で馬を交配して育ててより速い馬を育成して、自らが騎手となって出走していただきます！」

「そして今回のマップはなんと！完全新鯖ということでパワーアップ！同接たぶん50人はいけるぐらいのやつを購入しました‼‼」

「おー」

「50人⁉」

「そして完成した暁には、知り合いを呼びまくって、みんなで、賭けたいとおもいます！」

こりゃまた、むちゃをしたな。50人呼べるとか10万はいくだろう。でもあいつの兄もプロゲーマーだしな、そのへんの機材は充実してるんかな。しらんけど

「うぉーやるぞーー‼‼」

「私が1着だ‼」

こうしてよくわからない新企画がスタートした。