黄泉の章

ミヨカガミ

「ただいま…」


「ねえね、お帰りー!」


「にいには?」


「ど、どこかにいくって言ってたよー、でもどこ行くか、ミヨ知らない」


「そっか…」

 私はミヨにそう言うと、彼が使っている部屋、スタッフルームの中に入る。




 彼の部屋は少し薄暗く、散らかっている

 しかし、彼の綺麗になった机の上には、輝きを発するものが置いてある

 それはあの人が言った通り、紫色の宝石のブレスレットだった。


 きっと私のために作ってくれていたのだろう。


 ……ありがとうって後でお礼言わなきゃ


 私は覚悟を決め、深呼吸をし、ブレスレットに触れた。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 全て…思い出した。

 私は誰なのか、どこへ帰るべきなのか。

 そして、黒幕の正体も…


 ーーーー


「ミヨちゃん…何してるの?」


「ミヨ、パズルしてるの!!ねえねもやる?」




「今はいいや…それよりもさ……




 どうしてを消したの。ヨミちゃん?」


「…………ねえね、何言ってるの?」


「誤魔化さないで…貴方が最初っから仕組んだ事でしょう?

 自分たちの事を思い出せなくなったのも、あの公園で目覚めたのも…

 だって貴方がを作ったもんね?」


 私はあっちの世界にいた時、いつも遊んでいた公園にあった祠にお願いしたんだ。

(この世界から連れ出して)って。そしたらヨミちゃんにこっちの世界に引き込まれてそして、記憶を消されて、あの公園に放置された。


 鏡に映ったヨミちゃんの姿を見た時も記憶を消された。

 病院の時は、消されただけでなく、すらも巻き戻された。

 …理由はわからないけど


 この世界自体、ミヨちゃんの遊び場と同義だったんだ。


「教えて…貴方の目的を…」


 ヨミは少し考えたようにすると、私の耳元でこう囁いた




「ママ、やっと会えたね」


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