病院大作戦!!

「よっしゃ!二人とも張り切って行くぞ!!」


「……」


 私たちは今デパートの向かい側の場所、住宅街の西側に来ている。

 なぜかって?それは遡ること数時間前…………


 ----ー


「ここの廃病院へ向かうぞ!」


 数日の間、デパートのスタッフ用ルームにこもっていた彼は、地図を指差し

 高らかに発言する。


「グギェエッヘ…ゲホ……いきなり!!どうして!?」


「俺はあることに気づいた…あの時、水虫は黒い雲から降ってきただろう?」


「まぁ…そうね…でも雲を消すなんてこと物理的に無理でしょ…」


「ッフッフ…それが出来そうなんだな!!実は君がくる前に、黒い雲がどこから

 来るのかを追っていたのさ。そしたら…あぁら不思議、黒い雲は必ず同じ方向から

 来てるんだよ。そして、その方向にあるのが…!!」


「廃病院…でも、そこが水虫の元凶なのか分からないし、それに…また水虫に

 襲われたらどうするの?今度は貴方も死んじゃうかもしれないんだよ?

 そんなの…そんなのやだよ…貴方が命を賭けるところなんて…」

 私は思わず飲んでいたお茶のペットボトルを強く握りしめてしまう


 彼はきっと優しい人なのだろう。けど、そんな自己犠牲…

 もう彼にはしてほしくない…死んでほしくない…!


 その様子を見て彼は優しく言った

「大丈夫、もう命をかけたりはしないよ…ミヨも君もそんなこと

 望んでいないからね…まぁ今回は無事に作戦を終える為の

 があるから。それが…!!」


 -----


「病院煙突爆破大作戦〜!!」

 ーー

 説明しよう!



 …独自の調べにより、

 雲が出る時間とそうでない時間が1時間おきに切り替わるという

 規則性を発見した俺は、ある事を思い付いた。

 煙突を吹き飛ばせばいいんじゃね?だ

 つまり、だ。爆破に使う爆弾は、デパートのドラッグストアに

 置いてあった薬品とその他諸々を使い、作っている。作り方は秘密だ。

 この作戦は中には俺が食料と水、ナイフなどの護身用の武器を持って一人で侵入し、最終的に煙突を病院もろとも爆破。

 外で待機している、ミヨと彼女と車で脱出と言うのが大まかな作戦だ。

 今回車はショッピングモールにあった物を使う。

 車があれば、爆発に巻き込まれずに逃げ帰れるし、万が一失敗して黒い雲が発生しても一目散に逃げることができる。

 外と中の通信はトランシーバーを使って行えばいいだろう。

 これはまさに、合理的かつ、理的と言わざるを得ない作戦だ!


 ーー


「あっっきれた。もっといい作戦を考えてくるかと思ったのに、

 貴方が一人で突っ込むって、中に何があるかなんて分からないんでしょ!?」


「大丈夫大丈夫、廃デパートにあったサバゲー用の防護服と万が一の

 サバイバルナイフの他に、水虫用の懐中電灯だって持ってるから

 …絶対大丈夫だよ!!!!」


 彼女は納得したのか呆れてはててしまったのか、その後は何も言わなくなって

 しまった。


 まぁいい……明日の結行だ!!





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