ターニングポイント

「こちら0正面玄関から中に侵入します!どうぞ…」


「こちら…って!!コード0って何よ」


「侵入作戦はトップシークレットで行われるから偽名を使わないと。どうぞ…」



「はぁ…そうなの……わかったわ、引き続き車の中でミヨちゃんと

 待機してるわね」


 ----ー


 病院の中はおれが想像するよりも暗く、自分の息がはっきりと聞こえるほど静かだ。

 正面玄関を抜けた先にあったのは、病院の案内受付と思われる場所だった。


 中々大きな病院なのにこんなに廃れちまって…

 お前はいつからここに一人でいるんだい?


 少し奥へ進むと壁の崩れた廊下と、ぐちゃぐちゃになった

 病室が中から現れた。よく見ると壁に何やら、この建物の案内らしき事が

 書かれている。


 ほほぉ…この廊下の先に階段があるのか……どうやら煙突があるのは、

 2階の非常階段から行けるらしいな。

 何だよー、数ヶ月間対策してきた割には大したことねぇ…


「こちらコード0…煙突があるのはどうやらここの階の上の屋上らしい、

 慎重に進むことにする…どうぞ」


「こちら、車内組…さっきから少しミヨちゃんがソワソワしているので、

 とりあえず落ち着かせるために一緒に遊んでいる」

 あぁ…女子が一人いて良かった、俺が部屋にこもっている間にも彼女に迷惑かけちゃったし、とにかく感謝しないと……


 ふと、俺は目線を看板から逸らすと、その先の病室のベッドの下に

 何やら光るものが落ちている


 何だこれ?なんか綺麗な色してんなぁ…


 俺が試しにそれを拾ってみると、紫色に輝く、石?のようなものだった。


 その石を見ていると何とも言えない、高揚感のような高ぶりが心の奥から

 迫ってくる感じがする


 綺麗やなぁ……そうだ!、これで彼女に何か作ってあげよう!

 女の子はアクセサリーとか好きっていうし、きっとよろこぶぞ〜!!


 俺はその意思を拾い上げ、ポケットの中に押し込んだ。


 ----ー

 そして偶然にも、彼のこの何気ない行動が、後の私たちの運命を変えるとなったのだった。






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