空からの脅威
「走ってください、速く!」
彼に急かされるまま私は住宅街を走り抜けていく
「早くしないと水虫がやって来る!!!」
「水虫!?よく足が痒くなるやつじゃなくて!?」
私は過呼吸になりながらも彼に叫ぶ
「この世界の水虫は空から降ってくるミミズみたいなやつです。
その気持ち悪い見た目に皮肉を込めてそう呼んでいます…
とにかく、見たら分かります!!」
何じゃそりゃ?!と私はこの時思ったが、すぐにそのことを理解することになる
空から降ってくるわくるわ、白いミミズのような物体が…
私たちの遠方で落下したそいつらは一目散に私たちを追いかけてきた
「気っっもっち悪いなぁ!!何なんだよ…!!あの映画に出てきそうな
超常生命体は!!」
「あと少しです!頑張って!!」
彼が言っていた大通りが間近に迫り、ホッとしたのも束の間……
私たちの目の前を塞ぐように、例の虫が降ってきたのである
空を見るとすでに真っ暗に染まり、雨と水虫が大量に降ってきている
「ッ……ミヨを、ミヨを連れて先に行ってください……ここは私が食い止めます」
彼はナイフを持ち水虫の前に立つ。私が彼を止めるために発した言葉も
彼の言葉によって……かき消されてしまった。
「この大通りを抜けたら…水虫は追ってこないでしょう…黒い雲は大通りまでは来ませんし、水虫は黒い雲から出ると光に当たって死んでしまうんですよ。本当に
訳が分からない世界でしょう?
少しの間でしたが、貴方のような同じ年頃の人と話せてよかったですよ…
そしてミヨを守ってやってください…私のかけがえのないパートナー…なんです」
私はその言葉を聞くとミヨちゃんを抱えて、ゆっくりと後退りをし、そのまま後方に走った、走って目の前が雨でぼやけても走った。何も出来ない自分を悔やみながら……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます