目覚めたのは公園の中


「うわあああ!!」

 私はその時に夢から覚めた


 …何だぁ夢かぁ


 今のことが夢であることに私は安堵し、ホッと胸を撫で下ろした…が

 あることに気づいてしまった。


「ここ…何処…?」

 私は見知らぬ公園のベンチで寝ていたのだ。

 周りには住宅群が並んでおり、公園の周辺に全く人気がしない…

 鳥の声や蝉の音だけが鳴理続いている。


 どうしてこんなところで私は寝ていたの…?いや、そんな場合ではない!


「早く帰らないと!!」

 私は学生鞄を持って公園を出て行こうとした


 あれ…私、何で学生鞄なんて…学生だったの私が??

 …思い出せない、私が誰なのか、何処からきたのか

 どうしてこんなにも帰りたいと思っているのかが


 自分の顔から血の気が引いていくのがわかる


 いや…落ち着け私!!怯えていたって何も始まらないぞ!!!


 私は公園の噴き上げるタイプの蛇口を見つけ、口をゆすぐ

 寝起きに飲む生暖かい水は、何ともいえない味だった。


「あぁ…私って女の子だったんだ」

 蛇口に反射する肌と白色を見て、私は一つ思い出した。


 私は女学生!ひとまず、学生鞄を持った不審者とかじゃなくて良かったぁ〜

 急に落ち着きを取り戻した私は、ベンチに深く腰掛けながらふと、空を見上げた


 ……ゾッとした。怖いからではない

 そこにあったのはひどく…広がった青空と雲だった

 どこまでも、どこまでも空は続いている…永遠と。


 天気雨なのか、水滴のようなものが顔をつたってゆく


 …私について一つ思い出したことがある。

 こんなまだらに塗られた青色のキャンパスが、私の一番好きな景色だということだ


 ----ー


 私が公園を出て辺りを散策していると


「やぁ…貴方はここに来たばっかりなのですか?」

 と後ろから綺麗な声がした


 振り返ってみるとそこには私のように学生服を着た美青年とその後ろに

 隠れるように、5歳くらいの小さな女の子がいた。


 そしてこの出会いからを巡る小さな冒険は

 始まったんだ…






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