シマ=テトラ=ガーベラ
宇宙人、外宇宙生命体やエイリアンの存在を信じるかといえば、どちらかというと否定的な立場ではあろうか。
実在していたらいたで楽しいとは思う。
その昔、UFOごと地球に不時着した
もうかれこれ30年以上前の話ではあるので、若い人たちの認識はあまりないハズである。
中々にブラックなユーモアに溢れている作品で、毎週とても楽しみにしていたのだが。
最終回にて、ALFが軍に捕獲されたところでそのまま終了するという、なんとも胸糞が悪い結末だった。
自分の稚拙な想像ではあるが、仮に彼らが実在したとして。
拘束された彼らは、人体実験と称して
そんな救われない未来が見えてしまうのだから、もうそれ以降エイリアンなどといったものを、全く信用しなくなった。
いや、自分の中で彼らの存在自体を元々なかったことにしていた。
つい先日、私の家に彼女が落ちてくるまでは……
「お姉さん、どうぞ」
広大な湖に落ちた彼女を引き上げようと、しゃがみ込んで手を差し伸べる。
「わるいね!」
力をいれて手を握り返してくるのだが、彼女は自分の顔を凝視してニカッとイタズラな笑みをしてきた。
「よ!」
と彼女が私の手をふいに引っ張り、逆に私が湖に引き摺り込まれる。
「あ〜らら」
我ながらなんとも情け無い声を出してドボン!とアタマから落ちていく。
「ギャハハハハ!油断大敵じゃん!」
「いや〜、一本とられたねえこりゃア」
水面から顔を出し歳柄にもない長い髪をかき上げた。
「うひょ〜♡」
と、彼女が私に急に抱きついてくるので、一気に互いの顔の距離が近くなる。
私の顔をまじまじと食い定めるように見つめる。
「ふ〜む……」
顎に手を当てて、何を考えてか……
「やっぱお兄さん、色男だね!」
再び今度はさきほどよりも一段と強く抱きしめられる。
もうお兄さんと呼ばれる齢でもないのだがな、これが。
「そりゃあ光栄だねエ」
ぷにっ
と抱きつかれた反動で、彼女の後ろに回された両手が柔らかい感触をつかんだ。
「あン♡」
「ん?」
彼女が何故か顔を緩ませる。
ぷにぷにっ
両手がまたナニか柔らかいモノをつかんだので何度も揉んでみる。
「あンあン♡」
さらに彼女の顔が緩み、何故か息が荒くなる。
ぷにぷにぷにぷにっ
「あンあンあンあン♡」
既に彼女は
その柔らかいナニかを何度か揉み繰り返して。
それがナニかようやく気づく。
気づいたのだが、何故か自分の意志に反して手は止まらず、そのままソレを揉み続ける。
ぷにぷにぷにぷにぷにぷにぷにぷにぷにぷにっ
「あンあンあンあンあンあ……って、いつまで人のケツを鷲掴みしてんだい!いいかげんにしな!」
ドゴン!
と彼女のゲンコツがアタマに直撃する。
流石に調子に乗りすぎたようだ。
「ごーめんねエ、いやワザとじゃないのよこれがさア」
「お兄さんさあ、なかなかに
まあ、否定はしない。
「そういやまだだったね」
「何がよ?」
ヨッ!と、彼女は私をお姫様抱っこして。
水面から勢いよく飛び上がり、平屋の縁側に降り立つ。
水圧の影響もあることながら、中々できることではない。
「いや惚れてしまうでしょうがア」
未だに彼女に抱き抱えられたままなので、こちらが
ゆっくりと下ろしてもらうと、彼女は毅然とした顔でこちらを向き直し、
「銀河連邦政府
キリっとした敬礼のような仕草が、さっきまでの彼女からはとても感じられなかった。
「あ、どうも。姓は浅間、名は十兵衛といいます、ハイ。所属は特にないですハイ。最近四十肩がキツくて、あと常に下痢気味ですハイ」
打って変わってこちらも彼女に倣って名乗ってみるがまあ、なんとも間の抜けたモノである。
にしても立派な肩書きだが、大佐ということは軍人だろうか。
若いのに大したモンだねえ、なるほど銀河連邦ですか、そうですか。
聞き慣れない国であるが、はてそんな国はあっただろうか?
あまり世界情勢に興味がなく、メディアも全く利用しないため自分の認識不足なのかもしれない。
まあ最近建国したのだろう、などと何の疑問にも思わずに、相も変わらずこの時の私はスットコドッコイな予想をまくし立てているのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます