EP1-1
蒼は森の中を進みながら、自分の新たな力を試すことに心を躍らせていたが、ふと気付いた。
「剣がないじゃないか?」
アドバイザーが即座に答える。「目の前のブカ木は比較的に硬くしなやかで、剣代わりにはおすすめです。」
蒼は周囲を見渡し、ちょうどいい長さの枝を見つけた。その枝を手に取ると、重さとバランスを確認しながら、満足げにうなずいた。
「これなら、剣道の技も活かせるな。早速、腕試しだ。」
蒼は『サーチ』のスキルを使用し、周囲の気配を探った。いくつかの気配が感じられるが、その中でも特に大きな気配は強い魔物の可能性があると考え、小さい気配に向かって進むことにした。
「まずは小手調べだな。」
蒼が進むと、草むらの中から突然、頭にツノが生えた小型犬くらいの大きさのウサギが現れた。ウサギは蒼を見るや否や、鋭い目つきで突っ込んできた。
「なんて獰猛な…!」
ウサギの突進を見極めた蒼は、剣道の動きを活かしてバックステップを踏み、同時に横一文字にブカ木の枝を振り抜いた。鋭い回転斬りがウサギの後頭部に命中し、ゴリッという嫌な音がして絶命した。
「この魔物は街で売れるので持って帰ることを推奨します。」
アドバイザーの声が響く。
「持つの大変じゃないか?」
「50ポイントで『収納』のスキルを獲得し、収納することを勧めます。」
蒼は迷わず、50ポイントを使って『収納』のスキルを獲得した。すると、彼の手元に小さな光のポケットが現れ、ツノウサギを簡単に収納することができた。
「これで持ち運びも楽になるな。」
スキルポイントの確認をしたくなり、蒼は再びアドバイザーに尋ねた。「今のスキルポイントはどれくらい残っている?」
「先ほどのツノウサギを倒して10ポイントが加算されました。現在のスキルポイントは残り10です。」
「意外と貯まるのが早いかもしれないな…」
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