スキルメーカー 〜転生した剣士の異世界冒険〜
@aoiaoaoi
プロローグ
蒼は39歳の誕生日を迎えた。しかし、その日はいつものように酒とギャンブルで明け暮れ、虚しさだけが残る日だった。かつては剣道の全国大会に出場するほどの腕前を持ち、輝かしい未来が待っていると信じていた。しかし、就職難の波に飲まれ、気が付けばフリーターとして生計を立てる日々。酒とギャンブルは、そんな現実から逃れるための手段に過ぎなかった。
その夜、蒼はいつものようにコンビニでビールを買い、家路を急いでいた。突然、目の前に車が飛び出し、彼は避ける間もなく轢かれてしまう。意識が遠のく中で、蒼は「こんな人生なら、いっそ終わってしまえばいい」と呟いた。
目を覚ますと、蒼は見知らぬ鬱蒼とした森の中にいた。周囲を見回しても、見慣れた風景は一切ない。パニックに陥る蒼の頭の中に、不思議な声が響いた。
「【スキル:アドバイザー】、発動。おはようございます、蒼様。ここはザナルンドという別世界です。」
声の主は「アドバイザー」と名乗り、蒼にこの世界の基本的な情報を教えてくれた。この世界の生き物は皆、神から与えられたスキルを持っているという。そして蒼は、極めてレアな「スキル生成」と「アドバイザー」のスキルを持っていることが分かった。スキル生成は、魔物を倒すことで得られるスキルポイントを使い、新たなスキルを作成する能力である。
蒼は不思議な声、アドバイザーの指示に従い、森の中を歩きながら情報を求めた。
「ここはどこなんだ?」
アドバイザーの冷静な声が響く。「ここはパンゲア大陸の人間領アルマニア帝国の東側です。」
「近くに町はあるのか?」
「西に2時間ほど歩くと街があります。しかし、安全にたどり着くためにスキルの取得をお勧めします。『身体能力強化(上)』、『剣術(上)』、そして『サーチ』のスキルを獲得してください。」
蒼はアドバイザーの言葉に従い、450のスキルポイントを使って3つのスキルを獲得した。瞬間、体内に力が漲り、全身が強化されるのを感じた。
「自分のステータスはどうなっている?」
アドバイザーが回答する。「レベル1、HP30、力15、守備10、素早さ15、魔力8です。スキルポイントは残り50です。しかし、『身体能力強化』により、ステータスに補正が入ります。」
蒼は興味深そうに続ける。「それで、補正後のステータスは?」
「レベル1、HP40、力25、守備15、素早さ25、魔力8となります。このステータスなら、道中も安全です。」
蒼は自信を持って西へと歩き始めた。
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