第9話 居座り幼馴染

「ただいま〜」

「おいちょっと待て」


奏斗達は現在、配信から帰ってきた所だ。が、目の前の幼馴染がさも自分の家かの様に振る舞っている光景を見て、奏斗は頭を抱えていた。


「毎度毎度なんでお前は俺の家に入ろうとする。葵の家は隣だろ。」

「いーじゃんどっちも一人暮らしなんだし!なんなら一緒に住んだらお金もかからないよ?」

「それはそうだが大問題だろ。一応俺等高校生だぞ?」


高校生で同棲は周りで問題が起こりそうだ。

確かに2人で住めばお金もかからないしいつでも葵を守れるが、それはそれ、これはこれである。

そんな奏斗を見て葵は不満気に頬を膨らませていた。


「でもちょっと上がるくらいいいじゃん…晩御飯一緒に食べようよ〜。ここで断ったら美少女が泣いちゃうよ?」

「はぁ…まあ良いか、荷物だけ置いてこい」

「は〜い!やっぱ奏斗分かってる!」


なんだかんだ言って葵相手に弱いのは奏斗の弱点であった。


ーーーーーーーーーーーーー


「う〜ん美味しい!やっぱ私天才だね〜!」


晩御飯は葵が作ると言うので任せた結果、普通に美味しい唐揚げが出てきた。入れてた鶏肉勝手に使ったな?


「……うま」

「でしょー!」


葵が作った唐揚げは超美味しかった。

奏斗はいつの間にかこんな料理が上手くなったのか考えながら次の唐揚げに手を伸ばした


「あ、そうだ奏斗〜。土曜日のコラボで何するか後で佳奈さんと話して決めるんだけど奏斗も来る?」

「あ〜まあ一応俺も一緒にやってるんだし、行っておこうかな。」

「おっけー。そう言っとく〜」


それからお風呂に入ったりストレッチしたり。打ち合わせの時間まで本を読んだりして過ごした。


「佳奈さんこんばんは〜!」

「こんばんはー!!この間振りです〜!」

「どーもー」

「あ、奏斗さんもこんばんは!」

「あ、奏斗でいいですよ、俺も佳奈って呼んでるし。」

「了解です!」

「奏斗だけずるくない!!佳奈さん!私も佳奈ちゃんって呼んで良いですか?」

「全然良いよ!私も葵ちゃんって呼ぶね!」

「はっ…推しに名前を…もう死んでもいい」

「あはは〜。葵ちゃん超ユニークだねー!てか今更だけど2人一緒に居るの?超仲良しじゃ〜ん!」


通話を始めた途端呼び方の確認と葵の心臓が止まった。推しに名前を呼ばれたらそうなっても仕方ない。

ちなみに今は奏斗の家で、葵のスマホから佳奈に通話をかけている。


「じゃあ早速打ち合わせ始めよっか〜!」

「まずは当日何をするか、案ある人〜」

「はい!佳奈ちゃんの良いところ2時間語る配信!」

「却下で」

「却下だろ」

「むぅ…じゃあ土曜日には立ち入り禁止も解けるだろうし、下層でモンスター狩り!」

「それは佳奈次第じゃないか?あの件でトラウマとかになってなければ俺はそれでも構わないけど。」

「私もそれで良いよ!2人が一緒なら安全だろうし!」

「ま、そうだな。それは保証する」

「じゃあそれで!当日はモンスター狩り〜」


そんな感じでやることはするっと決まった。

そんな中佳奈は恐る恐るその言葉は口にした。


「あの〜、2人がよければ、私の戦闘を見てアドバイスくれないかな?私も今回の件でもっと強くなりたいって思ったの…」

「おぉ〜向上心の塊だね〜。私は良いよ!まさか断らないと思うけど奏斗は?」

「なんで脅してきた?まあ断らないけど。俺達でよければ協力するよ」

「2人ともありがとう〜!!!」


と、言うわけで当日は佳奈の戦闘訓練まですることになった。

ふと、そこで奏斗は最初の配信を思い出しながら言った。


「あ。そうだ2人とも…あ〜葵は知ってるかど、俺ってめちゃくちゃ不幸体質なの。で、佳奈は極度のトラブル体質だろ?だからさ…」

「……あ〜なるほど、奏斗は2人が一緒に配信に出ることで何かが起こると考えてる訳だね!」


そう、初配信での疑惑。不幸体質とトラブル体質の悪魔合体でまた何かが起こるのではないか。

そんな疑問が奏斗の頭を渦巻いていた。


「不幸体質…なるほど。分かった!当日は万全の準備で行くよ!」

「あぁ、頼む。俺達も何かあった場合には全力で守るから」

「奏斗〜頼りにしてるね〜」

「お前も戦うんだよ!オーガの戦いでちょっとしか働いてないんだからそろそろ働けニート。」

「うぇ〜私はまだ学生だからニートじゃないよ〜」

「……全国のニートにダメージを与えた音が聞こえた…」


疑問も共有出来たことで、奏斗は心配な気持ちが少し落ち着いた。


「じゃあ私はそろそろ雑談配信があるから切るね〜」

「おっけー!じゃあまた土曜日ね〜佳奈ちゃん!」

「お疲れ〜配信頑張れよ!」

「は〜い頑張るから見ててね!それじゃ〜」


そう言って佳奈は通話を切った。

通話が切れた瞬間。葵はせっせと佳奈の配信を見る準備を始めた。


「いや、自分の家で見ろよ」



────────────────────

なんで挟んだか私でも分からない話になってしまった…どーもどーも。この説明調の文章書くの疲れてきたゆーれいです!

雑談シーンとか書ける人凄いって改めて思いましたよ…戦闘シーンは書いてて楽しいので早く戦闘に行きたいですね!


それではまた〜

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