第3話 不幸体質って不便…

「くらえ〜」


ヒュンと風を切る音が鳴り、矢が魔物に飛んで行く。矢は静かに殺意をもって魔物を貫通した。


・弓使いかぁ…

・あんま見ないな

・魔法の方が威力あるしな


現在階層は51層、先程と変わらずダンジョンだと言うのに青空に覆われている。


「グリーンバードはこれで最後だね〜」

「相変わらず命中率どうなってんだ…」

「努力しましたから!」


葵の持ち武器は弓。弓は渋谷ダンジョンのような広大なフロアではそこそこ活躍するが、近接戦闘の弱さ、かなりの練度がないと洞窟型のようなダンジョンでは割とお荷物になってしまう役職だと言われている。

こんなに微妙な反応なのはコメントでもあった通り、弓に比べ圧倒的に魔法の方が強いから。マジックなパワーはやはり強いのだ。

ちなみにグリーンバードというのは緑の鳥。ランクは群れでBの下の方。説明終わり。


「いや〜多かったね!30羽は居たんじゃない?」

「あ〜…確かにそんくらいかもな。まぁ鳥程度何羽来ようが余裕だけどな〜」


・いやいやそいつ群れで襲ってくる厄介なやつ何ですけど…

・何でこんな余裕なんだよw

・やっぱこいつらおかしい…

・てか同接増えて来たなぁ…


チラっとコメントを見るとめっちゃツッコまれていた。てか同接増えた?

同接を確認すると249人。わ〜おめっちゃ増えてる〜


「同接250人近いぞ。初配信にしては割と多いんじゃないか?」

「そうだね…伸びるとは思ってたけどいいペースかも。」


伸びると思ってたってどういうことだ?まあ気になるが流しておくか。魔物も近づいて来てるし。


「なんか近づいて来てるぞ」

「了解〜どっち?」

「東の方だな。1体だ」

「あれは…ブーストボアかな?急に加速するのが特徴だね〜」


ブーストボアも確かBランクだったはず。他の魔物が群れでBだったりするなか単体でBってのはそこそこ強かったりする。


「私やっていい!?」

「またか?まあ良いけど」

「やったぁ〜!奏斗ありがとっ!弓が強いってとこ見せて上げるよ!」


葵はきゃっきゃと喜びつつ弓を構える。ブーストボアとの距離は約200mと言ったところ。矢に何かを唱える、辺りの温度が急激に上がっていく。そのまま葵は冷静に弦を引き…


ブゥォンと言う音と伴に矢が飛んで行く。

矢は風を切り、ブーストボアの頭貫かんと進んで行く。加速したボアは逃げれるはずはなく。矢と接触する。

その、瞬殺。


チュドォォォォォォォォォォォォォォン!


矢に纏った火球が大爆発を起こし、そのままボアを消滅させた。


「どうよっ!」

・えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!

・どういうこと…

・一撃!?!?

・消えた…

・ワーアオイチャンツオイ…

・矢に魔法ってかなり高等技術じゃないか?

・何者!?急げ特定班〜!

・弓使い俺氏、救われる。

・弓って強いんだぁ(困惑)

・かわいいのにかっこいい…

・惚れた


「うんうん困惑してるね!弓に魔法付けるのは今度配信で教えるから、興味ある人は登録しておいてね!」

・します

・してます

・流石にするよなぁ?


「他の人に共有もお願いn「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」うぇえ!何!?」


叫び声の後、少し遅れて近くで何かが爆発するような音が聞こえてくる。


・なんだ?!

・トラブルか?

・女の子の声だ!!

・ヤバいヤバい!佳奈ちゃんが近くで襲われてる!ガチで死んじゃうかも!

・はぁ!?ガチ!?

・あっちの配信見てるけど上位種ウワズミが出てる!


突然声を遮られた葵は困惑していたが、それを聞いた奏斗はすぐに準備を始める。


「佳奈ちゃん…ってのは誰だ?」

「多分佳奈チャンネルって名前で活動してるDtuberだね…確か登録者もこの間200万人越えてたはず」

「その人が近くで上位種ウワズミに襲われてると。その佳奈って人は強いのか?」

「普段は中層でのんびり配信してて、たまに下層まで潜ってたはず」

「じゃあ少しなら耐えられそうだな」

「でも今日は中層配信だったはずだけど…」


・ワープ罠踏んじゃったっぽい!それで突然襲われたから応戦してる感じ!

・てか助けに行くんか?上位種は揃ってA以上だぞ!流石に倒せんと思うが…


「命が危ないんだろ?じゃあさっさと助けに行く、これは俺の信念だ」

「こっちは準備おっけーだよ〜」

「俺もだ。よし、行くぞ!」


準備が終わり次第二人はすぐに走り始める。


「奏斗の不幸体質もここまで来ると呪いだね〜」

「うっせぇ、少しヤバそうだから急ぐぞ」


見えて来た魔物と女の子に向かって走りつつ奏斗は刀に手をかけ、葵は弓を引いた。



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どうも!不幸体質って小説ではあるあるだけど現実にもそんな人居るのでしょうか?

次からタイトルに触れて行きます!


それではまた

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