第1話 配信しよっ!
─あの選択が正しかったのか今でも分からない。それでも、あの選択を後悔したくないから。
だから僕は歩き続ける
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ある学校。その教室で、今しがた叩き起こされた一人の男が恨めしそうに呟いた
「はぁ………俺の昼飯……」
男の名前は
「おい、俺の昼飯どうしてくれるんだ?」
「えぇ〜奏斗。弁当忘れたのぉ〜?」
メスガキムーヴでくすくすと笑いながら返答してくるこいつの名前は
「葵、お前昨日なんて言ったか自分で覚えてるか?」
「え?なんか言ったっけ?」
「なんか言ったっけ?じゃねぇーよ!!昨日『明日は弁当作ってあげるからなにも持って来ないでね!』って言ってただろうがっ!」
「あ〜そんなことも言ってたっけ…まあまあ!そんな細かいこと気にしてたらモテないよ?」
「今それ関係なくねぇ?!」
そんな夫婦漫才を繰り広げ、周りからニヤニヤと温かい視線を向けられる中でも、奏斗のお腹はぎゅるると、早く飯を寄こせと音を立てて催促してくる。
「ま、流石に冗談だよ〜!今日は久しぶりに親友の激ウマ弁当食べさせてあげようと思ってねぇ〜」
「なんだよ…あるなら紛らわしいことすんな…」
「てことで屋上にでも行きましょ〜」
席を立つ葵。続いて奏斗も席を立った。教室を出て行く二人には身長差がかなりある、約45cmといったところだろうか。
奏斗は一般的な男子とほぼ同じ身長である。となれば葵の身長は……
葵はとある理由で身長が伸びなくなった。まぁこの世界ではよくあることだが、世間では【ダンジョンの奇病】と呼ばれている病気だからである。
ダンジョンの奇病は複数あり、そのどれもが治療法が分からない不治の病だ。葵の病気は【不老】と呼ばれるもので、人によっては羨ましいと思うだろう。だがこれはそんな高尚なものではなく、体が成長するホルモンを破壊し、病気になった年齢から成長することが一切なくなる。マジックなパワーでそれ以外の作用は消えた…というか奏斗が消したが、ホルモンが破壊されるのにはかなりの痛みが伴うらしい。荒治療で髪の色も抜けてしまった。幸いにも葵は、精神までは破壊の影響が無いようで、普通の高校生として生活できている。
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「いや、多くね?」
そう呟く奏斗の前には、まるでピクニックにでも来たのかと思わせるほどの量が並んでいた。
「いや〜作り過ぎちゃったよね。はは」
「何笑ってんだよ…流石に食べきれないぞ…?」
「え?こんな美少女が作った手料理を残すと申すか?…処す?」
「物騒すぎるだろ……てかお前が作り過ぎたのが原因だからな?それで処されるのは理不尽にもほどがあるだろ…」
「まぁまぁさっさと食べなさい!一応二人分だから食べきれる…はず…多分…」
「自信なくしていくなよ!そもそも葵は少食なんだからほとんど俺が食べることになるだろうが…」
そんなことをぼやきつつ美少女の手料理とやらに合掌して食べ始める。
「うまっ!昔より料理の腕前上がってないか?」
「うんうん、私も成長するということですよ…」
「だいぶうるさいけど実際美味いから何も言えねぇ〜」
そんな話をしながら二人は食べ進める。
黙々と食べていたが、弁当が残り半分といったところで奏斗が問う。
「ところで、今日はなんで急に弁当作りたいだなんて言ったんだ?」
「ふふ〜ん!よくぞ聞いてくれました!これ見て!」
そう言って葵は鞄からタブレットを取り出した。画面には最近人気のアプリDtubeが映っていた
「なんだこれ?動画?いや、配信ってやつか?」
「正解〜。これは配信です!」
「これがどうかしたのか?俺はこーいうのはあんまり見ないから分からんぞ…」
「配信の内容は見なくていいよ、ただ奏斗に配信の存在を知ってるか確かめたかっただけだから。…ねぇ奏斗!一緒に配信しない!」
そう元気よく言う葵に奏斗は顔をしかめ、ため息をつきながら言った
「もしかしてこの弁当は…」
「弁当…食べたよね?一緒にやってくれるよね?」
「罠じゃねぇか!!」
「そんな細かいことはどうでも良いから!やるの?やらないの?」
うるうるとした目で見てくる葵におもいっきりデコピンを見舞いつつ奏斗は答える
「仕方ないな、良いぞ。葵の為なら何でもやる。」
「痛〜い…ってやっぱり!奏斗ならそう言ってくれると思ってたよぉ〜!じゃあ今日の放課後行こうね!」
葵はヒリヒリと痛む頭を撫でつつそう言う
「今日?機材とかそこら辺の準備大変なんじゃないか?」
「ふっふっふっ…既に準備済みだよ…」
「用意周到だな〜」
その後は残りの弁当を食べながら計画を練った。
ちなみに弁当は食べきったが食べ過ぎで1時間ほどトイレと寄り添うになる羽目になった
いやマジックなパワーでなんとかしろよ。
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どうも!また見てくれたんですね!
次回から戦闘シーン出てきます。ありきたりになってしまうけど…許して下さい!!
それではまた
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