第2話 祈りの力を授けよう

「改めまして。高天原へようこそ間宮さん。」

 大津さんが話をする。

「まずはこの世界のことをお話ししましょう。彼らに聞かないと。」

 そういうと本殿のような場所に通される。

 入った途端に全ての人が傅く。僕はただ立ち尽くしていた。

 途端に星野が僕も膝をおり、頭を下げるように促す。


「イザナギ様、イザナミ様今よろしいですか?」

「玲香よ。話は聞こえていた。ただ一つ問おう。彼に資格があると思うかい?」

 簾のようなもので誰かは見えないが落ち着いた声が祭壇の上から聞こえてくる。

 イザナギ、イザナミ?日本書紀に出てきた、、神様?

 

「はい、私は彼に資格がある思います。」

「なら良い。彼をこちらに。」

「間宮さんこちらへ。」

 とても緊張感のある空間で思わず、はいっと大きな声で返事をしてしまった。

 恥ずかしい。


「元気の良い少年よ。間宮と言ったな。」

「はいっ!」

 恥ずかしい、、神様にいじられるなんて。

「おや、気づいているか、私たちは神で、ここは高天原。そして君は選ばれた。神の戦いに」

「神の戦い?」

「そうだ。君を選んだのはスサノオ。君も聞いたことがあるだろう。現世では有名人だからな。」

(あの優男がスサノオ?もっと岩のような人かと、、)

「あっはっはっ、面白い子だな。」

「えっ、まさか。」

「そのまさかだ。私は子の考えがわかる。神だからな。」

(迂闊に考えないようにしよう。)

「まあ、良い。話を続けよう。」


 彼の話をようやくすると、ここは夢の世界で、1週間に一度現世に災害が来る。

 それは幻獣か、妖怪か、悪魔か、どこの国かわからないが、災害が来る。

 それを神の力を借りて災害を止めるのがこの世界のルール。


「そしてこの世界には、6つの世界の神がいる。」

「彼らも我々同様に7人の神と7人の子らを有しており、災害を食い止めるために同じ時、同じ場所に現れる。」

「その中で、最も先に災害を止めた世界の神にギフトが付与される。」

「ギフトは様々なものがあり、情報や、新たな権能や、力、それ以外もなんでも渡される。」

「夢はあるか?間宮よ」

 (特に夢などない。今思い浮かぶほどの大層なものは。)


「ないか、まあ良い、それを聞いたのもそのギフトの中には、なんでも叶う石という物がある。」

「そしてそのギフトは、25年に一度出てくると言われている。」

「我々日本の神の目的はその石を使い、この世界を終わらせること。」

「過去100年間災害を食い止めているがまだ終わりが来ないこの世界を我々が終止符を打つのが目的である。」

「そしてどう言った運命か、今年はそのギフトが付与される年。間宮よ頼む力を貸してくれんか?」


「すみません、、話が入ってこなくて、でも僕はその災害を止めてそのギフトを獲得して、この世界を終わらせればいいんですか?」

「左様である。」

「なるほど、僕にできるかわからないですよ、」

「いや、あのスサノオが二人目に選んだ子だ。間宮ならできる。」

「そうですか、わかりました、。」

 流されるように言葉が出てしまった。

「では、スサノオこちらに。」

「はい。」

 青年がこちらに向かってくる。

 

「スサノオよ、貴殿の祈りの力を彼に。」

「かしこまりました。」

 スサノオがこちらを向く。

「後でちゃんと使い方は教えるよ。大丈夫だよ。速太。君を必ず守るから。」

「では儀式は終了だ。皆のもの今週の災害も高天原で食い止めるのだ。」

 そういうと、全員が返事をして大きな声で立ち上がる。

 スサノオはイザナギ様イザナミ様と話があるとのこと。

 僕は玲香さんに連れられ本殿を出る。

 ここから作戦会議とのことだ。

 

 

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