高天原編

第1話 いやいや、夢でも痛いの?

目が覚めると、見慣れた天井だった。

 カーテンを開けてもそこには荒川が見えた。

 (なんだったんだ本当に。なんだか右腕が痛い。)

 

 ピッピッピッ、、ピピピピ。

 アラームが鳴る。この音は2つ目のアラーム。

 すなわちもう時間がないよのアラームだ。

 

 大変だ、もう7時。準備をしないと。

 スーツを着て家を出る。髪の毛はボサボサだがしょうがない。


 電車に乗ると、なぜかいろんな人に見られる。

 昨日から災難続きだ。

 会社のエレベータホールにつき、エレベーターが来る。

 すると後ろから課長の声が。


「おーい間宮。ちょっと待ってくれ。」

 課長もギリギリの出社だ。エレベーターに乗って課長が一言。

「お前がこの時間に出社なんて珍しいな。昨日飲みすぎたか?」

 誰のせいだと思ってる。

「すみません、以後気をつけます。」

「いやいや、気にするなよ……ってお前どうした、」

「何がですか?」

「右肩……」

 何を驚いているんだこの人は、右肩?何もない……えっあれ、バタン。

 

「間宮、間宮――聞こえるか?」

 遠のく意識の中、課長が体を揺さぶっている。

 やめてくれ、死ぬわけじゃないのに。


 目が覚めると、真っ白な天井。家ではない。

「先生。間宮さん意識を。」

「間宮さん?聞こえますか?」

 あれ、ここは、病院?

「よかった。間宮さんわかりますか?」

「はい、わかります。」

「よかった、すごい出血でしたよ。」

 その後詳しく聞くと、僕の方にはくまにあったかのような切り傷があり、

 そこからすごい出血をしていたとか。

「何か動物にでも会いましたか?大型の?」

 あった。確かにあった。3メートルの猿のような蛇のようなやつに。

「いえ記憶になく。」

「そうですか、、しかし、安静にしてください。今日はここで寝ていってください。」

「はぁ」

 なぜこんなことになったのか。昨日のあれは夢だよな、、。

 困惑した頭で病室のベットで寝っ転がっている。

 まあ考えても仕方がない。というよりもわからない。

 今日会えると言っていたから待つとしよう。


 夜の病室は不気味で、いびきや、寝言が聞こえる。

 なかなか寝付けない。徘徊している人が早く戻ってと怒られている。

 看護婦さんも大変だ。

 そんなことを思いながら枕で耳を塞いで寝る。

 するとすぐにまたあった。


「こんばんは。」

「昨日の。あれここは。」

「そう君の病室だよ。でもここは夢の世界だから君と僕だけ。」

「まずは君に謝らないと、ごめんねその傷。それと昨日最後、、」

「あっ、いやいいです。助けてくれたんでしょ?」

「うん。でもよかった無事で。」

「あの、これってなんなんですか?」

「そうだったね、教えないとね。でもその前に場所を変えようか」


 彼は手を前にして構えた。

 すると風景が変わる。

(ここは、神社?)


「ようこそ。日本の神の本陣。高天原へ」

「さぁ手を。こっちに来て。」


 大きな扉が開くと、そこには14人だろう。人やそうでないような生物がいた。 

「よっ速太。お前も選ばれたのか」

(聞いたことのある声だ。よく見ると)

「あれ、、星野?」

「そだよー」

「星野さんお知り合いなんですか?」

 美人が星野に話しかけている。

「そうですよーこいつは会社の同期です。」

「なら話が早いですね、ようこそ高天原へ。私は大津玲香。れいかと呼んでください。」

「どっ、、ども。」

 ドシンという音と共に後ろから大男が迫ってくる。

「こいつがスサノオの?ヒョロっちいな。」

「こら、タケミカヅチ様。失礼ですよ。」

「すまんすまん、玲香殿。」

「タケちゃん怒られてんのー」

「なんだと拓也。お前俺様をイジるとは偉くなったのお」

「やめなさい。困っているでしょう。間宮さんが。」


 この状況が本当のアウェイというやつだろう。

 すると青年がいう。

「玲香殿まずは彼の右肩の傷を。」

「あれま大変。早苗さんいらっしゃいますか?彼の右肩を。」

「どうしたのさ玲ちゃん取り乱して、あーこのこが昨日の。ごめんね昨日は、肩見せてー」

 すると、彼女が琴を出す。琴を弾来だしたかと思うと、みるみる肩の傷が治っていく。

「オッケー。もう痛くないっしょ。」

 肩を回すが痛くない。

「あっ、ありがとうございます、」

「いや、いいよ、気にしないで。てか昨日まじでごめんね。」

 チャラチャラしているのに琴を弾けるとはすごい子だ。

「それでは肩も治った事ですし。こちらに来てください。間宮さん。」

「おい、、玲ちゃん治った琴って、かけてんの?うまいねー」

 笑っている星野。

「もう。起こりますよ、星野さん」

 怒った顔も可愛い大津さん。

 ここはどこだかわからないが、悪いとこではないことはわかった。

 

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