五十二話 水着を買いに
今日は後日のプールに着て行く水着を用意するための買い物を兼ねて遊びに行くことになった。
今回は
そういう訳で優親らと待ち合わせている場所に三人で向かう。
そこに到着すると、彼らの事がハッキリ分かった。意外と二人とも存在感があるな。
「お待たせ二人ともおはよう」
「あっ!
「おはようございます好透お兄さん!」
二人とも満面の笑みで迎え入れてくれる、かわいいね。いや優親は男やぞ。
「やー、なんか凄いナンパされるんだよね、僕男なのになんでだろ?
「優親お兄さん可愛いですからね、お姉ちゃんと呼んでも良いですか?」
まぁ実際コイツはかなり可愛いからな、舞幸ちゃんも負けてないけど…ってそもそもそこがおかしい。美少女に可愛さで
「お姉ちゃんって呼ばれる趣味はないかなー、それなら好透をお兄ちゃんって呼びたいよ呼んでいい?」
「なんでだ」
俺からすればどっちもどっちだ。
優親は弟でも妹でもないのでお兄ちゃん呼びは違うだろ。
しばらく歩き、近くのショッピングモールを目指す。
「あれ、長名じゃん」
「伴田もいるぜ」
すると途中でそんな声が聞こえてくる。
「げっ」
「あっ」
それを聞いた衣織ちゃんと舞幸ちゃんが声をあげた。衣織ちゃん凄く嫌そうだったな。
「よぉ、お前らもどっか行くのか?」
「そうだね、ちょっと遊びにね」
衣織ちゃんがそう言って俺の腕を引く。
「伴田は今からどこに行くんだ?」
「ちょっと遊びに行くだけです、気にしないでください」
衣織ちゃんも舞幸ちゃんも凄い塩対応をしながら俺の腕を抱いてアピールしている。
「へぇ…それじゃあ俺らも一緒に行っていいか?」
「ヤダ」
「嫌です」
二人とも即答だった。そこまで嫌か。
「そう言うなよ、俺が楽しませてやるからさ」
「あぁ、そいつより絶対俺らの方が…」
「そういうこと言う人は嫌いです」
「君らとじゃ絶対面白くないから言ってるの、あと年上の人に失礼な口の利き方しないで」
奴らが食い下がるついでに俺を下げようとしたところで舞幸ちゃんと衣織ちゃんがきっぱりと言い放った。
「そういう訳だから、悪いけど他を当たってくれ」
さすがにこれ以上彼女らの気分を害されるのは不愉快だ、俺もそう言って彼らの前から立ち去る。
ここまで言われて追ってくるような度胸のある奴らでも無かったみたいだ。
「はぁ、アイツら前にも私たちに声掛けてきたんだよね」
「まさかお兄さんの事まで悪く言おうとするなんて愚かな人たちです、よっぽどセンスがないんでしょうね」
辛辣な二人だが、それを訂正させる義理はない。
「まぁああいった手合いは自分一番とかだからな、客観的に自分を見れないからあんなこと言えるんだろ」
死ぬほどどうでも良い考察だが、それを聞いたみんながウンウンと言っていた。
という訳でショッピングモールに着き、水着を選ぶ。
ちなみに俺はシンプルなやつを選んだよ。こういうの好き。
ちなみに優親は上下セットのものだ。
「好透以外にあんまり肌を見せたくないんだ」
「好きにしろ」
なんで俺なら良いみたいなこと言うの?誰にでも嫌がっとけし。と思ったのでスルーさせてもらった。
栞はオレンジのビキニ。
衣織ちゃんは紺色のバックに花柄のセパレートタイプの水着。
舞幸ちゃんは水色のフリフリが付いた水着。
うーんこれは中々良いチョイスじゃないか?
俺が選んだので自画自賛してるみたいで気持ち悪いが、やっぱりこれは似合うと思った。
「本番が楽しみだね♪」
俺の選んだ水着を買ってご満悦な栞がそう言った。やべぇ可愛すぎる。
「楽しみすぎて今から行きたくなるな」
「今は小春お姉ちゃんがいないからね、置いていったら可哀想だよ」
それもそうだね、衣織ちゃんの言う通りだ。
「お兄さんが良ければ二人きりで見せましょうか…?」
舞幸ちゃんがすごい発言をしてきた。
「ダメだぞ舞幸ちゃん、そういう事を言うと勘違いされるからな」
「勘違い?」
舞幸ちゃんは首を傾げてオウム返しをしたが、敢えて皆まで言うまい。
「私は本気でお兄さんのことが好きですし、勘違いではなく両想いに…」
「その話はまた今度にしよう」
今度というかもうしたくないのだが、とにかく今は逃げよう。
今度のプールは楽しみだなぁ!
別に現実逃避じゃないよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます