五十一話 キャンプを終えて
キャンプ場を後にした俺たちは、
そのうち免許も取らんとなー。
道中で昼休憩を挟みつつ寄り道しながら、夕方になる前には長名家に到着した。
ちなみに旦那さんは仕事である、お疲れ様です。
「ありがとう優さん」
「あらあらそんなのいいのよ、また行きましょうね」
優さんは嬉しそうに俺の頭を撫でてくれる。
なんという圧倒的包容力…これがバブみってやつか…。
「久しぶりに来たんだし、ゆっくりしていってちょうだいね」
「いらっしゃい
「お兄ちゃんがうちに来るのってホント久しぶりだよ」
まぁ久しぶりと言いつつ半年も経ってないけどね。それでも前の頻度に比べれば久しぶりか。
それからしばらく三人でゲームをして遊んだり、優さんも交えて色々喋ったりもした。
すると栞が、ふとこんなことを言い出す。
「せっかく山に行ったわけだし、今度は海も行きたいね」
「でも海は遠いし、プールとかでもいいんじゃない?それなら
「それも良いね、小春も誘ってみよ」
「それなら
「良いね」
そういえことで後日プールに行くことになった。
栞たちの水着が楽しみだ。
「水着も買いに行かないとね、好透も一緒に来て選んでくれると嬉しいな♪」
「いっそヌーディストビーチなんて行けたら最高だな」
「あはっ好透のエッチ♪」
満更でもなさそうな栞である。
「お兄ちゃんがそういうのをお望みなら、今ここで見せてあげるよ♪」
衣織ちゃんがそう言いながら押し倒してきた。
「あ!衣織ズルい、私も」
二人と密着して嬉しいものである…ってか昨日のこともあって俺までタガが壊れてるな。
そろそろ元に戻さないと。
「やべぇなコレ、昨日からおかしくなりっぱなしだ」
「今更じゃない?」
「それもそうか」
これが俺らだったわ、それなら気にすることもないね。
しばらく経って、今は優さんが晩御飯の用意をしている。
ちなみに俺も手伝わせてもらってるよ、近くで見てるけどやっぱりベテラン主婦スゲー。
まぁ主婦と言っても元だけどね。
キャンプの時も見たのだが、やっぱり動きが手馴れている、色々と参考にさせてもらおう。
アレコレしているうちに夜になり、旦那さんも帰ってきた。
「やぁ好透君、久しぶりだね」
「お久しぶりです、
栞たちのお父さんである多熊さんだ、優そんがキリッとした風貌なら多熊さんはおっとりとしている。
「そう畏まらないでおくれよ、前みたいに気楽にしていてくれ」
「それもそっか」
二人とも俺が小さい頃から関わっていたこともありあまり堅苦しいのは嫌みたいだ。
まぁだろうなと思うくらいには俺も二人のことを知っている。
というわけで四人と俺で食卓を囲む。
やっぱり優さんの料理おいしー!
「そういえば、好透君も自炊しているんだったね」
「だね、まだ大したものは作れないけど」
こちとら自炊歴は半年もない。まだまだヒヨッコですよ。
「それでも自分で料理が出来るのなら大したものさ、それも君はまだ学生なんだ。楽をしたい年頃だろうに」
「いやぁ、色々作ってたら楽しくてね。だからそれほど苦じゃないんだ」
「そうなんだね、もし機会があったら好透君の料理も食べてみたいな」
「俺でよければ」
期待してくれるのは嬉しいものだ、それまでに色々作れるようになっとこ。
「栞は料理…苦手だものねぇ」
「あはは…そのうち好透に教えてもらうよ」
優さんの苦言に栞が苦笑している。
「私も教えて、お兄ちゃん!」
対する衣織ちゃんはやる気満々だ、良いお嫁さんになる為に努力を欠かさないその姿勢は素敵だね。
「俺?優さんの方が良いと思うけど…まぁ俺で良ければ?」
俺がそう言うと衣織ちゃんは小さくガッツポーズした。かわい。
夕食も食べ終わり、片付けをしていたらもう遅い時間だ。
「それじゃあ気を付けてね」
「うん、ごちそうさま、凄く美味しかったよ」
「うふふ、そう言ってくれると嬉しいわ、それじゃあおやすみなさい」
「はい、優さんも多熊さんもおやすみなさい」
「あぁ、おやすみ好透君」
玄関まで見送りに来た未来の義両親に挨拶をして家から出る。
それに合わせて栞と衣織ちゃんも出てきた。
「じゃーね好透」
「じゃあねお兄ちゃん」
「うん、二人ともおやすみ」
そう言って二人を抱き締めると、二人が両頬にキスをしてくれた。
だから俺もお返しに二人の唇にキスをした。
「おやすみ好透!」
「おやすみお兄ちゃん!」
「あぁおやすみ!じゃあな!」
俺はそう言って二人に手を振って家に帰った。
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