四十七話 夏休み突入

 夏休み前からぶっ飛ばしすぎて疲れたよもう。

 ちなみにあの先輩は俺たちのことを師匠とか言い始めた。お茶目がすぎる。


 またやってる所を見せて欲しいんだって、嫌だよ見せもんじゃないんだし。

 でも栞は''女の子なら別にいいかな''とのこと。

 どっちにしたって勘弁してよ…。


 ちなみに今日はしおりと宿題だ。さっさと終わらせて遊びに集中したいんだってさ。

 まぁ俺も同じ気持ちだけど…。


好透こうすけ…ごめんここ教えて…」


「えっ、そこも?」


 半分以上は俺が教えてる、そんな調子で大丈夫か?…どう見ても大丈夫じゃありませんね。


「あー…そういう事ね、ありがと」


「前より、なんて言うか…ダメになってない?」


 ぶっちゃけ前より大分酷くなっているけど、マジでどうした?


「ごめん、最近エッチな事考えてばっかで…」


「そりゃお前が悪い」


 完全に色ボケの自業自得だった。心配した時間を返せっ!



 とりあえず宿題の半分は終わったので今日はここまでにすることにした。


「ぶぇあー!好透ー!」


「よしよしよく頑張った」


「あ''あ''あ''あ''癒されるぅ〜」


 俺に飛び込んできた栞の頭を撫でてやるとおおよそ女の子から出てはならない声が出てきた。

 でも可愛いですね。


「さぁ脱げ脱げ!今日はいっぱいシよ!」


「ぎゃぁぁぁ襲われる」


 栞はケダモノだった…どうりであんな声が出るわけだ。



「ふぅ…」


「やっと賢者タイムに入ったな」


 あれから三時間ほどヤっていたのでこっちはヘトヘトである。賢者どころか老人ですよもう。


「まぁ賢者なのは雰囲気だけだけどね、勉強苦手だし」


「まぁそこは頑張ってもろてな」


 こんなに激しかったらこっちが持たないよ。


「もう夕方だよ、飯作ろ」


「じゃー私お風呂の用意してくるね!」


「頼んだ」


 というか栞は帰らなくていいの?昨日も夜通しだったし、すぐるさんに怒られないか心配である。

 ちなみに明日は衣織ちゃんも来るんだって。やったね。



 夕食を食べ終わった後、さすがに栞は帰宅した。

 さすがに二日連続はダメだってさ、ただその理由が ''あんまり会いすぎるとそれが当たり前になってしまうから''とのこと。

 いつまでも仲良くするには離れる時間も必要だからね……そういう問題!?


「じゃあ俺はあっち見てるから栞と優親は物資漁ってて」


『おっけー』


『僕はだいたい欲しいの揃ってるから好透代わりに漁ってていいよ?』


「俺も既に揃ってんよな」


『あっ!私も揃った!』


 ちなみに今は栞と優親と共に、多数のプレイヤーが複数人でチームを組んで銃撃戦をして、最後まで自チームが生き残れば勝ち!というルールのゲームをやっている。


「おっとあそこに敵おるなぁ…」


『おっ、あのピンだよね?スナイパーがあれば良かったけど…んー、まぁ無理しないでおこうか。やめよ』


 優親は落ち着いたタイプだが…


『え、ごめん私もうここまで来ちゃった』


「バッカ!」


 なんと栞はだいぶ敵チームの近くにおり、このままでは多対一で押されてしまう。


「ごめん俺フォローいくから優親そこで見ててくれ」


『了解』


 俺も自分のキャラを走らせ、栞のキャラに近付く。


『やばい!好透達の方に向かってる!』


「よし分かった、栞こっち」


『んっ!』


 敵から見て右手方向に大きな岩がある、俺たちはその後ろに隠れて背中を撃ち抜く作戦だが…正直そう上手くいかないのがこのゲームだ、緊張の瞬間。


「できれば優親と挟み撃ちにしたいけど…」


『相手がバカなのを願うしかないね、そこは影になってるから多少見づらいとは思うけど…』


 敵チームは全く警戒していないようでさっさと通り過ぎてしまった。…つまりヤれる。


 すぐに敵チームの一人を背中から撃つ。


「一人ダウン」


『ナイス!その赤いヤツあと少し』


『おっけやったよ!』


「ナイス!テメェは俺だ!」


 俺の攻撃を合図に優親と栞がサポートしてくれる。

 この二人はちゃんと上手いので背中を任せられるのが良いね。ガチでやりやすい。


 なんだかんだやっていると敵は残り一チームとなった。


『あそこかぁ…ちょっと辛いね』


 相手のチームは俺たちから見て向かい側の建物の屋上辺りをメインにしてるみたいだ。

 膠着こうちゃく状態が続いている。

 敵の一撃が栞のキャラに当たる。


『っグ!いったいなぁもう…ん?ちょっと待って、すぐ下にいる!』


「マジか!ソイツからやろう!」


 攻撃を食らい回復をするために少し後ろに下がった栞が奇襲をしにきたヤツに気が付いた。

 三人で一チームなのに一人こっちに来たら向こうは二人だ、コイツがやられたら人数不利となる。

 だからなのか先程すぐ下に来たヤツを攻撃しているうちに残り二人が援護に来たようだが、既に一人欠けているため難なく俺たちが勝たせてもらった。


「栞が気付いてくれて助かった」


『ナイスだったよ!』


『やったね!』


 こういう感じで夏休みはゲームしまくりたいな、その為にも栞は早く宿題終わらせようね?

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