二十六話 暴力は良くないだろ
俺の事をバカにしていた陽キャ共に対して三人ともめっちゃ睨んでいる。
「あのさ、アンタらそーゆーのダサいって分からない?なんで一々人の事バカにするわけ?」
…と
「確かに、そういうことすればするほど白い目を向けられるって分からないんだね。頭が悪いなぁ…」
…と
そして
「いやさ、冗談だって…んな怒んなよ。なぁ
「いや訳わかんねぇなんで俺に振るんだよ」
バスケの時だって散々睨んでただろうお前ら。どうしてこんなヤツらをフォローせにゃならんのか。
じっとコイツらを睨んだ栞が口を開く。
「あのさ、よく冗談とか言えば許してもらえるとか思えるよね。言って良いこと悪いことわからないかな?そもそもあれだけ目の敵にしてた
貴方たちハッキリ言ってダサいし笑えないし見ててイライラするからどっか行ってくれるかな」
「いや…」
「えー…そのぉ…」
さっきまでの沈黙を取り返すように栞が
「私も小春も
優親も小春もウンウンと頷いている。
「そもそもアンタらさ、前にウチのことなんか色々と言ってくれてなかったかなぁ?」
「え…俺ら?」
「えっと…なんだよ…」
小春が睨みながらコイツらに尋ねるが、分からないといった様子だ。
「あー、じゃあなおさら嫌いだね。二度と話しかけないで、ウザいから」
「私にも近寄らないでね」
おぉ…さすがにこの二人からここまで言われてコイツらもしょぼんとしている。
「まぁ好透のことをこんなヤツとか言うヤツなんて僕だって嫌だね、他の連中と遊びなよ。ばいばい」
優親もだいぶご立腹だ。まぁ止めてやる気はさらさらないが。
ここまで言われて食い下がれるほどの根性もなかったようで、すごすごと立ち去って行った。
「あーホントむかつく」
「好透ぇ、よしよし大丈夫だからね?私たちがいるから泣いていいよぉ」
「泣くかいね」
小春はぷんぷんと怒っているし、栞は何故か甘やかしてくる。
「しっかし未だに分からないのかな、あぁいうのがダサイって」
「まぁ分からねぇからやってんだろ」
優親も容赦ないが、言ってることは間違っていない。
誰かを下げれば自分の価値が高まると思っている奴らほど
実際はむしろその逆で、人を下げればそれよりもっと自分の価値が落ちるというのは自明の理だろう。
そんな連中に
時間が飛んで今は休み時間。俺は絡まれていた。
「舐めやがってよぉ、アイツらと仲良いからって調子に乗んなよクソ陰キャ」
「お前見たいなカスがいるから朝からイライラしなくちゃなんねぇんだよまじぶっ殺すぞ」
「何言ってんだお前ら」
朝の二人組が絡んできた。
自分らよりも強気に出れるやつにしかイキれない奴らですね。
陰キャとは陰気なキャラ、陽キャとは陽気なキャラの略称であるというのが基本だが、コイツらの本質はどちらかと言うと陰キャだろう。
安全圏から誰かを攻撃するその陰湿さはまさに陰気だ、陽キャっぽいのは格好だけか。
「つまらねぇ事やってねぇでちっとは自分磨きでもしてろよ、俺みたいな陰キャに構ってんな」
あまりにもアホらしく付き合ってられん、トイレも終わったしそろそろ戻りたいんだけど…。
「んだとテメェ」
小春に話しかけた茶髪が胸ぐらを掴んでくる。しかし全然怖くない、力も弱いし。
「マジぶっころだわ、死ねよお前」
そしてこの金魚のフンのマッシュ君が横からなんやら言っている。ぶっころだの死ねだのボキャ貧か?
「おー、好きにしろよ。やれるもんならな」
ちょっと煽ってみる。
これだけでコイツらはお顔真っ赤だ。
「テメェ!」
「おらっ!死ねよ!」
やっぱボキャ貧だこいつら!
まず茶髪が顔をぶん殴ってきた。
いやぁ弱すぎるわ、鍛えた方がいいぞ、筋トレしろ筋トレ。
そして追撃してきてるのか撫でてきてるのかよく分からんイキリマッシュ。ペチペチと叩いて?きている。
何がしたいんだこいつらは。
「ぐうぁ…ゲホゲホ」
「いってぇ…」
「えぇ…マジで?」
ちなみに言っておくけど軽くやり返しただけです。
茶髪のみぞおちに掌底を当てたら転がってるし、イキリマッシュはコイツのペチペチを裏拳で跳ね返したら手首を押さえて
「もういいか?とっとと戻りたいんだが…」
確認をとってみたが、返事が無いので一応断りを入れて教室に戻った。
結局何がしたかったんだろう?
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