二十三話 あの子の絡みが凄すぎる

馬鹿なの?ねぇ、言って良いことと悪いことくらい分からないかな?」


またもや別の休み時間、また人気のない場所だ。何かと縁があるなここは。

しかししおりの圧が凄い。そもそも彼女が何故ここまで怒っているのかというと、まぁ小春こはるが俺にとんでもない事を言ったからですね。


小春の爆弾発言の影響で俺のメンタルはヘロヘロだぁ!


それについて栞が小春を説教しているところだ。


「まぁわかるよ?私も好透こうすけをそういう目で見てるし、実際お世話になったけどさ」


「だから言わんでええねん」


なんでこの二人はそういうこというの?

やるのは良いとしても報告しないでよぉ…。


「いやぁ…好透君をからかいたくてつい…」


縮こまって何言ってんのコイツ。


「ふーん?それで、好透の反応を見てどうだった?」


「困惑してて可愛かったです」


「ふざけんなアホ」


ポッ…じゃないんだよ。

人か困ってるのを可愛いとか言うのやめてもらえますかぁ?


「だってぇ…顔真っ赤にして怒るからこう…キュンキュンしちゃって…」


「分かるよ、それが好透のいいところ…」


「ハァ?」


二人して照れたようなツラしてやがる。

ダメだコイツら、話になんねぇ…。

人の羞恥心を一体なんだと思っているのか。そもそも栞は誰の味方なんだ。


「はっ!そうだった。とにかく!これからはあんまり変なこと言わないでね


「わかりました」


本当に分かったのかはなんとも言えないが、信じるしかないだろう…。




長名おさなさん、悪いんだけど明日は好透借りるね」


前に昼食を一緒にしたメンバー(栞グループ)と優親ゆうしんで昼ご飯だ。


明日の事で優親が栞に一言断りを入れていた。


「いいけど、せめて私を家まで送ってからね?」


「そりゃ当然だろうよ」


「え、そうなの?」


どうやら優親はそれを知らなかったようできょとんとしている。さすがに栞優先だ。

優親には悪いが、その後に合流することにしよう。


「それで、伴田ともだ君は好透と何用かな?」


「どういう口調だよ」


栞がちょっと気取った口調で優親に理由を聞いた。

優親は、朝に話したことを改めて栞に話した。


「そっか、上手くいくといいね」


「好透がいるからきっと大丈夫だよ」


「その信用はどこからきてんの?」


どうしてここまで信用されているのかは全く分からないが、優親からはいつも通り遊ぼうと言われているので、深く考えないようにした。




今日はなんか変な日であったが、無事に最後の授業も終えて下校中である。

なんと珍しいことに優親と小春もいる。


「あれ?好透二股?」


「マジ勘弁して」


何故か小春が俺の手を掴んで離さないのだ。恋人繋ぎのポーズで。

そんな状態の俺たちを見た優親が二股を疑ってきた。そりゃそーだ。


「小春さん、まじで離れてくんね?」


「いいじゃぁん、減るもんじゃないしぃ♪」


「そういう問題じゃないんだけどな」


いくらなんでも吹っ切れすぎだろう。

振られたら離れるもんなんじゃないの?しかも相手いるんだよ?


「ちょっと栞もなんか言ってくれ。めちゃくちゃがっちり手を握ってきてるんだが」


「そうだね、あんまり酷いなら見せつけちゃう?」


「僕がいるのを忘れないでね」


優親に関しては完全に空気のような扱いだ。これでもモテるんだぞコイツは。

もう勘弁してくれと言った表情をしている。

栞はなんか目をギラギラとさせている。


「み、見せつけるってなにするのさ?」


「お、もしかして気になる感じかな?」


どきどきといった様子で小春が尋ねる。

それに対して栞は得意気だ。ドヤッている。


「んー、それは見てのお楽しみ!小春はそこで嫉妬に狂っていればいいよ」


栞がドヤりながら小春に言い放った。辛辣すぎるだろ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る