十五話 お外でデート
ピロートークをした俺たちは産まれたままの姿で抱き合って、
翌朝目を覚ました俺は、
それを受けた栞は身を
「こーすけ…おぁよぉ…」
「おはよう、栞」
すこし
そのまま彼女の頭をそっと撫でてやると舌を入れてきた。
暫くの間じっくりと味わうようにディープキスをすると、栞はすっかり出来上がってしまった。
「えへへ、シたくなってきちゃった♪」
「朝から元気がすぎる」
俺も人のことは言えないくらいには、
朝だというのに俺たちは激しく求めあった。
「ふぅ…シャワー空いたぞ、栞」
「はーい!行くね!」
ツヤツヤとしている栞が元気よく浴室に向かう。
すれ違いざまにキスをしてくるくらいには元気だ。かわいい。
彼女がシャワーを浴びてる間に朝食の準備をしておく。
目が覚めたのが少し早かったのもあって今の時間は八時半過ぎ、朝食を食べたら昼まで勉強して午後から出かける予定だ。
朝食が出来たと同時に、綺麗になった栞が風呂場からやってきた。
「シャワーいただいたよ」
「あぁ、ちょうど朝ごはんも出来たし食べよう。ほら座って」
栞が座りやすいように
その向かいに座って一緒に朝食を食べた。
「ご
栞がニッコリとそう言ったので、俺もコクリと
「あ、良いよやらせて」
「いいよ、ゆっくりしてな」
そう言って栞の頭を撫でてやると栞が嬉しそうに目を細める。
「ありがと、でもダメ。あんまり
「そりゃ大変だ」
結局栞の高すぎるフィジカル対策も兼ねて一緒に片付けることにした。
朝食の片付けが終わり、それから
そもそも栞はちゃんと勉強すれば覚えるタイプなのでそこまでやる必要もない。
そんなこんなで時刻は十一時半、昼食は街で食べる事にした。
「準備できたよ、好透」
「おっけ」
今日の栞は水色のシャツに黒のスキニーといった格好だ。かわいい。
いつものように彼女は腕に抱き着いている。
歩くこと十数分、街に着いてどの店に入ろうかと歩いていると、どこからか言い争う声が聞こえた。しかもその中には聞き覚えのある女性の声も混じってる。
「栞、ちょっとまって」
「うん、聞こえるよ」
彼女も気付いていたようで、声がする方向に行くと見知った顔が見えた。
「
そこにいたのは強引なナンパに引っかかる
「ごめん、ちょっと行ってくるよ」
彼女が絡まれているとあっては放っておけない、俺は栞に腕を離してもらい、そこに向かって駆け出した。
「あん、何だ?お前」
チャラチャラとした男が俺を見て
「失礼、俺の彼女になんか用ですかね」
「ぇ、
笹山は驚いているが、ここでやめる訳にはいかない。彼女を背に
「いや、嘘こけよ。彼女困ってんじゃん」
あまりに
こいつらはヘラヘラとしながら、しっしと手を振っている。
「付き合いたてなんでこんなもんだよ。だから、アンタらには引っ込んでていただきたい」
そう言って笹山の手を
「悪いけどそーゆー事だから!アンタらウチの好みじゃないしどっか行って!ウチらはイチャイチャするのに忙しいの!」
笹山はそういうと俺にキスをしてきた。
それを見た栞が
素の態度を出してここでこいつらにバレてはいけない。
「行こ、好透!」
彼女はそう言って俺の腕を引いて歩き出した。
そのまま栞の元へ行き、彼女と合流して三人でそこから離れた。
「ありがとう、好透…じゃなくて天美君」
「ありがとうじゃないよ小春!キスはダメでしょもー!」
「ごめんごめん」
笹山は頭に手を当てて舌を出す。
栞や
「もう、せめてほっぺにしてよね!寝取られは趣味じゃないんだから!」
「こんなとこでなんつーこといってんだ」
俺たちはあれから少し離れたファミレスに入り、席に着いた。
それまでは後ろを警戒していた事もありあまり口を開かなかったので、ようやくちゃん喋り始めたといった感じだ。
栞は先程の笹山のキスに怒っているようだ、まぁ逆の立場なら分からんでもない。
もしも
「でも本当にありがとね、あいつらほんとにしつこかったし、もしあのまま変なことされたらって考えたら怖くて…」
笹山は少し顔色を悪くしながら、
「もう…次からはせめてほっぺにしてよね」
「そういう問題か?そもそもあんなことがそう何度もあっちゃダメだろ」
とはいえさすがにこれ以上あれこれ言うのは、
笹山の様子からそう考えたらしい栞はそれ以上責めるのをやめる。
「ほんとごめんね。それとぉ…ごめんついでと言ったらなんだけどさ…その…」
「なぁに?小春」
モジモジと笹山がなにかを言おうとしているが、暫くして口を開く。
「その…うちも天美君に撫でてほしいなって…あとギュッてして欲しいなーって…」
「いや、ちょっ…それは」
笹山がとんでもないことを言い出したため、思わず立ち上がってしまった。ハッとしてすぐに席に着く。
いくら大変な目に
「小春、それはダメだよ」
栞はきっぱりと断った、それも逆なら当然である。優親が栞に同じことしたいと言ったらそれこそ絶交ものだ。
「せめて、なでなでくらいはダメかな?」
「うーん…一回だけね?一回って約束出来るならいいよ、でも後でね」
意外にも栞は許可を出した。
いくら親友の頼みとはいえ、それを許すということは恐らく『何かしらの特殊な理由』を彼女は知っている可能性がある。というか俺も別に気付いていない訳じゃないが、情けないことに気の利いたことが出来ないり
「ほんと?やった!ありがと栞!」
まぁ笹山がそれで喜ぶなら、何より栞がいいと言うのならそれでもいいかと自分に言い聞かせた。
本当は良くないのかもしれないと気付いていながら、目を逸らすことしか出来なかった。
もっとちゃんと、自分の身の振り方を考えるべきだとそう思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます