幕間 客観的認識—下—
はい、
【問 彼女の印象】
そうですね————まぁ、流されやすいというか、なんでもかんでも
【問 彼女との出会い】
————あれは七月の初め、確か一般的な高校では、丁度期末テストが終わったくらいの時期でした。いつものように他人の投稿を眺めていたら、偶然彼女の投稿を見たんです。どこにでもある病みツイートでした。その時は特に何ごともなく、一応フォローはしたんですけど、まぁ、それだけです。
そこから二ヶ月経って、また病みツイートが増えたんですよね。その時に励ましの言葉を送ったのが転機だったと思います。さっきも言ったんですけど、あの人、簡単に流される節がありまして、まぁ、ちょっと励ましただけでコロンでした。人間、こんなに単純でいいのか、と思いましたね。
それからも励ましたり、甘い言葉を
彼女は案外すんなり来ました。深夜零時とか、そこら辺の時間なのに、二つ返事で承諾したんですよ。驚きましたね。
で、当日ですね、凄く気分が高揚してたんですよ。だから、ライブが終わった後、彼女をホテルに誘ったんですよ。これも二つ返事でした。そこからはお楽しみでしたね。良かったです。
それからは疎遠ですね。会うことも話すこともなく、です。最近、ニュースで彼女の報を見て思い出しました。そういえば、そんなやつもいたな、って。まぁ、そんなとこです。
【問 彼女と妊娠】
妊娠ですか? はぁ、知らなかったですね。『あやりんと肉体関係を持ったことはありますか?』————あります。合意の上でした。まぁ、一回だけですけどね。
【問 彼女と最後に会った日】
彼女と最後に会ったのは、今年の————いや、去年の九月ですね。はい、そうです。例のあの日です。あの日以来、彼女とは音信不通です。
【問 疎遠の理由】
どうしてか、と訊かれても、うーん、まぁ、彼女にも色々あったのでしょう。彼女は優秀な学生さんだし、それに
【問 彼女に会えたら会いたいか】
会いたくないですね。なんか、会ったら赤ちゃんについてどうのこうの言ってきそうじゃないですか。————まぁ、確かに俺は彼女の悩みを聞いていましたが、でもそれは、俺の方に利益があるからやったんですよ。『具体的な利益の内容?』————俺だけを見てくれる都合の良い女、それが手に入ることですかね。
【終了】
『最後に何か』ですか。そうですね。まぁ、彼女の人生は、俺には関係ないものなので、どうにでもなれって感じです。
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