幕間 客観的認識—上—

 橋本はしもと七海ななみです。

 天宮あまみやりんですか? はい、私の友達です。

 ————インタビュー? りんちゃんについて? はい、大丈夫です。



【問 彼女の印象】


 印象ですか? 明るい子ですよ。あ、でも、ちょっと違うかな。「明るい子」を装っているというか……うーん。

 根っから明るいってわけじゃないと思います。たまにそんな感じがする時があるので。感受性が豊かというか、えーっと、まぁ、感情が変わりやすいんです。本人は隠しているんだと思うんですけど、あんまり上手に出来ていないんですよね……



【問 彼女の趣味】


 趣味ですか? えーっと、なんだっけな……あ、本、読書だったと思います。暇さえあれば本を読んでいて……確か……橘檸檬たちばなれもんって言ってたっけな……そんな感じの名前の人の小説が好きだったはずです。確か、青春モノのラブストーリーだったような……



【問 彼女と最後に会った日】


 最後に会った日ですか……卒業式の日に見たきりですね。『何か話した?』 いえ、何も話してないです。当時から疎遠でして、今もです。

『きっかけ』……は多分、りんちゃんが塾に入ったことだと思います。忙しくなって、遊びに行く回数もめっきり減って。最後に遊んだのは三、四年前だったと思います。



【終了】


 あ、終わりですか。質問? あ、じゃあ一つお願いします。なぜりんちゃんのことを聞くのか、理由を尋ねてもいいですか? りんちゃんに何かあったんですか?

 ————あぁ、そうなんですか。すみません、これで失礼させていただきます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る