第19話 第二次試験突入
俺ことユイガはその日学校の許可をもらい、大図書館に来ていた。もともと人が少なく静かな図書館は更に静けさをまし、もはや不気味さすらも感じられた。
「まるで心霊スポットだな。」
気づけば、そう言葉を吐きつつある本を探していた。
「あった。」
それは、魔法の仕組みについての本だった。それを探していた理由は単純明快。第二次試験に向けての対策だ。
「俺ってなんやかんやいって用意周到なタイプだよなぁ。」
そう言いながら俺は本を開いたのと同時に、その内容に驚いた。
そしてしばらくして俺は本を閉じた。
「なるほど。」
そういって俺はその図書館を去った。
「これから忙しくなるだろうなぁ。」
そう弱音を吐きながら。
僕はそうして目を開けた。
「いっつぅぅ。」
体が悲鳴を上げる中、特に痛む腹を抑えながら立ち上がる。
「おっと、多少力を込めすぎてしまったようだな。すまない。」
そういいながら先生はこちらに駆け寄る。そうして僕の近くでその足を止め、これは俺からのアドバイスだ。と前置きして僕の弱点について話し始めた。
「お前の動きは単調すぎる。それすなわち、お前の攻撃パターンは読みやすいと一緒なんだ。」
そういった。確かにそれはさっき戦っていた中で痛感していた。だけどそれをたったの数回攻撃をしただけで見破る先生は異次元すぎると先生の凄さを再認識したような気がした。そのまま先生は言葉を並べ続ける。
「正直に言おう。俺とお前の力量差はほぼ一緒なんだ。だが俺とお前にここまで決定的な差ができるほどのもの。それは、技量だ。」
言われてみれば、僕が先生に攻撃を仕掛けたとしても最低限の動きでかわしていた。きっとそういうところが、技量として出てくるのだろう。それじゃ、僕と先生にこんなに差があっても当然か。そう落ち込んでいるのを見たのか、先生は心配するなといった表情で
「俺相手にここまで耐えれたやつはそうそういない。この意味がわかるか?」
といった。正直に言うと僕は先生のいっていることの真意がわからなかったため、先生の言葉に困惑していた。すると先生はしっかりと僕と面と面を合わせていった。
「お前にはセンスがある。ってことだ。そして俺はお前の可能性を引き出してやりたい。教師としてな。だから。」
先生は一度間をおいていった。
「お前は第二次試験当日まで、魔法を使わない状態で俺と戦ってもらう。」
と。
私ことカナはその日の夜、寮を出て、公園の入口である人物を待っていた。待っている間、周りは静寂で包まれておりまた、その一つの光が余計にその静寂さを引き立たせていた。そう感性に浸っていると待たせたわね。という言葉と同時に、一人の女が現れた。
「で、要件って何?」
そうだ。私は彼女ことレイナにある頼み事を頼んでいたのだ。彼女に向き直りながら、その内容を私は告げる。
「私を鍛えてくれませんか?」
と。その言葉に彼女は快く承諾してくれた。
そうして私は、彼女に鍛えてもらうことになったその日の深夜、鍛錬を終え、異常なほどに疲れた体を横たわれさせながら寮の部屋で夜空を見上げていた。
「絶対、負けないよ。」
そう言葉を吐いて私は眠りについた。
そうして僕は目を開ける。その日はなぜかいつもより太陽が明るく、僕を照らしているように見えた。まるで、頑張って来いと応援を送るように。ここまでずっとかんばってきた。あの日以降、僕は魔法を使わずに先生と戦い続けた結果、先生と拮抗した勝負をするようになっていた。
「今日が、本番だな。」
そういって、僕は寮を離れ、学校に向かった。
早朝、俺は重たい瞼を何とか開いて起き上がる。コンディションは悪くない。むしろ、
「絶好調だな。」
そう言えるほどに俺の体には活力がみなぎっていた。その後、軽く身支度を済ませ、その場で軽くジャンプを数回行い、寮をでた。
「今日は、気張ってかねぇとな。」
そういいながら。
太陽が昇る前にはもう私は起床しており、彼女と作戦を練っていた。
「これでよさそうね。」
彼女は満足そうな顔を浮かべながら、私にその作戦内容を伝えた。
「それいいね。」
その作戦に思わず私は感心してしまった。この3か月間、私は魔法を極め続けた。きっと誰にも負けないはずだ。そう確信を持って言えてしまうほどに、私のなかでは成長した。
「負けないよ。」
そういって、私はそのまぶしい太陽を見つめた。
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