第18話 秘密裏の特訓
僕は体力が限界を迎えた中、なんとか教室の扉を開けた。そして僕が教室に入るのと同時に遅刻者が絶望をするチャイムが鳴る。
「はぁ、はぁ。間に合った。」
すると僕よりも前に来ていたユイガとカナは2人で話していたようで、僕を視認するなりこっちを向いた。
「おぉ、遅刻者くんじゃないか。」
「間に合ってるよ。」
「あぁ、そうだったそうだった。悪いな。」
いたずらっぽく言うユイガに僕はある問をぶつけることにした。
「そういえば、君は誰とタッグを組むことにしたんだ?」
するとユイガは当たり前だろと言わんばかりに満面の笑みでこちらを見つめた。
「もちろん、お前だよ!!」
「はは、そうか。」
僕はその時、友情の素晴らしさを知った。だがユイガが組むとなるとカナはどうなる?そう思ったので僕はカナに聞くことにした。
「じゃあカナは?」
するとカナは嬉しそうに言った。
「私は第一次試験のときにあったAクラスの子と組むことになったよ。」
レイナか。てっきりAクラスの連中と組むと思っていてのだが、まさかカナと組むとは予想外だ。
「そうか、これは結構きつい試験になるかもな。」
「ふふん、負けないよ。」
そんなこんなあってその日の学校は終わった。
僕は寮に戻る前に体育館に来ていた。夜の体育館は昼の賑やかさとは裏腹に静寂に満ちていた。そんななか僕はその中央に佇む一人の男に声をかけた。
「もう来てたんですね。先生。」
すると先生はこちらに振り向いた。
「来たのか。じゃあまず説明から始めよう。俺は今回魔法を使わずに戦う。対してお前は魔法を使ってもよい。」
「そしたら僕が有利になってしまうんじゃ。」
「何言ってるんだ。これでようやく五分五分くらいだぜ?だから。」
そう一泊を置いてから先生は戦闘態勢に入り、僕へと手招きをする。
「お前の実力を知るためにも、今出せる全力でかかってきてくれ。」
僕はその言葉に応じるために、準備体操を始める。そして僕も戦闘態勢に入るのと同時に、先生へと高速で向かう。だが、その攻撃を最小限の動きでよける。
「ふむ、じゃあ回避のほうはどうだ?」
そういい、僕へと拳が飛来する。
「まじかよ...!」
あまりの速さに少しひるむがなんとか風魔法で回避する。そして僕は流れるように先生へと攻撃を放つ。当たれ!そう願うがその願いはかなわずに拳を受け止められる。
「動きが単純すぎる。それだと相手に動きが読まれやすいぞ。」
そういい僕を先生は投げ飛ばす。そして僕が風魔法で受け身をとり、攻撃に転じようとしたその時には先生の攻撃は眼前にまで迫っていた。僕は何とか風魔法でその拳の軌道をずらす。それと同時に先生を吹き飛ばす。そのまま僕は倒れている先生へと接近し、攻撃を仕掛けようとした。だが先生は接近している間に起き上がり、僕の攻撃を回避する。
「お前の攻撃はよくわかった。それじゃ、この戦いはしまいだ。」
そういって先生は僕の腹にその拳を直撃させ、僕は意識を失うのだった。
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