第23話 高校2回目の夏休み突入

『夏休み遊ぼうね〜』といつもの8人で言い合って気づいたら、夏休みに入っていた。

「暑い〜」小梅は縁側で寝転がっていた。

それを見つめていた流星は苦笑した。

「行儀悪いぞ〜」「あれ…流星兄ちゃん事務所行ったんじゃないの?」小梅は寝転びながら聞いた。

流星は小梅の隣に腰を下ろしつつ、「今日は終わらせてきた」と答えた。

「そうなんだ。お疲れ様」小梅は流星に明るい笑みを浮かべた。

「ありがとう」流星は微笑みつつ、少し考え「そういえば、今日花火大会あるけど、行きたい?」と聞いた。

小梅は勢いよく起き上がり、目を輝かせた。

「行く〜。浴衣着たい」そんな小梅の姿に流星は優しく微笑んだ。


◇◇◇◇


夕方になると、小梅と流星は浴衣を着て花火大会に向かっていた。

ちなみに、小梅は梅柄のピンクの浴衣だ。

髪はハーフアップにしていた。

流星は紺色の浴衣だ。

「小梅、はぐれないように」流星は小梅に歩調を合わせ、小梅の事を気にしていた。

「流星兄ちゃん、クレープ食べたい。」「いいな。俺はたこ焼きでも食べようかな」

そう言いながら、小梅と流星はクレープとたこ焼きを買った。

「ねぇ、1個ちょうだい〜」小梅は流星を見上げた。

流星は少し笑いつつ「はい。多分大丈夫だと思うけど、火傷しないように」とたこ焼きを小梅の口元に持っていった。

小梅は口元に持ってこられた、たこ焼きをパクリと食べた。

「美味しい〜」小梅はたこ焼きを飲み込むと、自分の頬に手を当てた。

「1口食べる?甘いクレープだけど」小梅は流星の口元にクレープを差し出した。

流星は1口クレープを食べた。

「甘いな。」流星は口元に着いた、生クリームを拭いつつ、呟いた。


◇◇◇◇


しばらくして、「小梅ちゃん〜」と聞こえ、声をした方を見つめた。

大きな木の下に知っている7人がいて、小梅は目を輝かせた。

「みんな〜来てたんだね」小梅は7人のそばに駆け寄った。

「私は悠真と、海斗と翔は朱里と恵麻。結愛は他校の彼氏と、尚也は兄と来たんだって」真心が説明してくれて、小梅はなるほどと笑った。

ちなみに、結愛の彼氏はまだ来てないのと、尚也の兄は屋台を見に行ったらしい。

「小梅、友達?」流星が小梅に聞いた。

「あ!小梅ちゃんのお兄さん?!」「めっちゃイケメン!!」「身長高い!!」女子達は流星に熱い視線を向けた。

流星は優しい笑を浮かべ、対応していた。

小梅は微笑ましくしていると「これ、あげる」と尚也にラムネを頬に当てられた。

「ありがとう〜。あ、尚也くんクレープ食べた?」「食べたよ。いちごのやつ」「同じ〜めっちゃ美味しかったよね」小梅と尚也は話に花を咲かせていた。

その様子を離れて見つめていた、流星は目を細めた。

そして、6人に「小梅と話してるのは?」と聞いた。

「月島尚也って子ですよ。小梅と気が合うから最近仲良く話してる。」朱里がそう答え、流星は少し笑った。

小梅の嬉しそうな顔をしっかりと見守る様子の尚也。

流星はため息が漏れた。

そして、小梅の腕を掴むように取った。

「小梅、花火始まるよ」そう言うと、流星は強く小梅の腕を掴んだ。

小梅は混乱しつつ、「わかった。じゃあね〜。また連絡して」と友達と別れた。


◇◇◇◇


「流星兄ちゃん、どうしたの?」小梅は流星に手を強く掴まれたままだった。

流星は黙っているばかりで、小梅は更に不思議がった。

すると「あれ?流星じゃん」と声が聞こえた。

流星は驚いて、振り返ると若いチャラそうな男5人が流星に手を振っていた。

流星は小梅から手を離した。

「お前、来てたんだ〜。中々会えないから心配してたんだぞ〜」チャラ男達は、流星の傍に来た。

流星は無邪気な笑みを浮かべ「ごめん。忙しかったから。てか、会ったの大学以来だな」と言っていた。

小梅は不思議そうに、少し流星から離れ、6人を見つめていた。

すると、1人の男が小梅に気づいた。

「流星〜彼女でもできた?」とからかうように言う友達に、流星は苦笑し「違うよ。この子は妹。お前ら気になってただろ?」流星は説明すると「おいで」と小梅を呼んだ。

小梅は流星の隣に駆け寄った。

「妹の小梅。ちなみに、優大の生徒」流星は簡単に紹介をした。

小梅はぺこりと頭を下げた。

すると、5人は目を丸くした。

「だからか、アイツが小梅ちゃんの話してたの」「てか、優大誘ったけど、忙しいみたいだよな」5人の話に小梅は苦笑した。

「てか、小梅ちゃん可愛い」「優大の生徒だと目つけられるだろう?」「いや、小梅は既に口説かれそうになったよ」流星は苦笑した。

すると、5人は笑いだした。

「やっぱりか。じゃあ、俺も」友達の1人が小梅の手を取った。

「ほら、寝言は寝てから言え〜」流星は小梅の手から友達の手を離した。

友達達はあははっと笑った。「相変わらず、妹一筋だよな」「まぁな。」流星は小梅の頭を撫でた。

すると、アナウンスが響いた。『花火の打ち上げまで30分を切りました。有料席の方は受け付けを済ませてください』

「俺ら、河川敷でみるからそろそろ行くわ」友達は流星に手を振った、「また連絡する」流星は明るく笑い手を振った。

小梅は隣で頭を下げた。







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