第21話 昼休みと放課後のテスト点の言い合い
数日が経ったお昼休み。
「尚也くん。これ、プリンといちごみるく」小梅は尚也の両頬にプリンといちごオレを当てた。
尚也は顔を顰めつつ「ありがとう」と言い、プリンといちごみるくを手に取った。
「すげぇ甘いな。」横で見ていた、悠真が嫌そうな顔で机を見つめていた。
その隣で真心がクスッと笑った。「悠真は、甘い物苦手だもんね。」「まぁな。」悠真は真心を見つめた。そして、「真心がちゃんと俺に笑ってくれて良かった。最近冷たかったもんな」と頬杖をつきながら、真心に明るい笑みを向けた。
真心の顔はみるみる赤くなり、小梅はふふっと笑った。
真心と悠真の関係が怪しくなり、いつもの8人は微笑ましく見守っていた。
「このプリン美味しい」いつの間にか、尚也はプリンを頬ばっており、小梅は驚いた顔をした。
「いつの間に。私を差し置いて」「小梅が遅いのが悪いよ。早く食べな」尚也は小梅の分のプリンの蓋を開けると、小梅の前に差し出した。
尚也の気遣いに、小梅は目を丸くしつつ「あ、ありがとう」と言い、スプーンを持ち、プリンを頬ばった。
「美味しい〜」小梅は頬に手を当てた。
「このいちごみるく、期間限定の?」「そうだよ。甘さがプラスされてて、美味しいよね」小梅はクスッと笑った。
嬉しくなった。尚也と自然に会話が出来るようになった。
尚也はクールだが、こうして甘いものを食べる時には付き合ってくれた。
「なに?」尚也は不思議そうに小梅を見つめた。
小梅は少し笑い「尚也くんと友達になれたの嬉しくて」と本音を言った。
尚也の耳が真っ赤になり、小梅はふふっと笑った。
◇◇◇◇
放課後になり、いつもの8人のメンバーの真心と結愛以外、テンションが上がっていた。
「ねぇ、テスト何点だったの?」朱里がスマホのカメラを尚也と尚也の膝に座っている海斗に聞いた。
海斗はドヤ顔で「100点」と言った。
尚也は海斗のテスト用紙を持ち「嘘つけよ。赤点だろ」と冷静にツッコミを入れた。
海斗はムッとした。
朱里は爆笑し、「じゃあ、尚也は何点だった?」と聞いた。
尚也は「もちろん、100点」とキッパリ言った。
「嘘つけ、32点だろ。」次は、やり返しと言うかのように、海斗がツッコミを入れた。
朱里は苦笑した。
そして、小梅を見つけると「小梅ちゃん〜テスト何点だった?」と聞いた。
小梅は自信満々に「100点」と言った。
「嘘つけ、34点じゃん。」と翔が小梅のテスト用紙を見つけ、見せつけた。
「じゃあ、翔はテスト何点だったの?」小梅が翔に聞くと、翔は自信満々に「100点」と答えた。
「翔は赤点だよ」と悠真が翔のテスト用紙を見せつけた。
「そう言う悠真はテスト何点だったの?」近くで聞いていた、もちろん100点テストを持っている真心が聞いた。
「100点」悠真はドヤ顔で言った。
「0点だよ。」テスト90点の結愛は呆れたように、悠真のテスト用紙を真心に渡した。
「え?!過去最低得点じゃない。悠真どうするの?!」真心の説教に、悠真は「ああ」と適当な返事をしながら、スマホを操作していた。
真心は怒ったようにムッとすると、「怒った顔も可愛いよ。真心」と悠真は真心の頭をポンポンと軽く叩いた。
真心の顔はみるみる赤くなった。
◇◇◇◇
「尚也くん、32。私34点…やった〜勝った〜」小梅は嬉しそうに腕を上げた。
尚也は真顔で小梅を見つめていた。
他の6人は『大差無いだろ』と思っていた。
◇◇◇◇
「海斗、尚也写真撮ろう」朱里が提案し、海斗は乗り気で尚也の膝から下りた。
「膝が痛い」尚也は膝をさすり、海斗の隣に立った。
「なんで、喜んでんの?」「ノリ?」「てか、なんで写真撮るの?」「ノリ?」
海斗と朱里が同じ返事をし、みんな笑った。
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