第15話 体調の変化
フラッと目眩がし、階段から足が離れた。「危な…!!」誰かが小梅を受け止めた。
目を開けると、天井が見えた。
なにが起こったのかわからず、小梅は混乱していた。「大丈夫?!」小梅に覆いかぶさるように、優大が心配そうに見つめていた。
鼻先が触れそうな距離に、我に返り小梅は離れようとした。
「待って!!」優大は小梅を胸に引き戻した。
一気に香る優大の甘い香水の匂い。小梅の心臓がばくんっと音を立てた。「また、落ちるよ。」優大は小梅を支え、立ち上がらさた。
「あ、ありがとうございます」優大は離れたが、小梅の心臓はまだバクバク鳴っていた。
「本当に焦った。」優大はため息を吐いた。
「す、すみません」小梅は俯き小さな声で謝罪をした。
優大は「とりあえず、こっち来て」と小梅の手を引き、別室に連れて行った。
◇◇◇◇
「怪我はしてない?」優大は心配そうに小梅を見つめた。
小梅は「大丈夫です。」と答えた。
優大はため息を吐くと「小梅、正直に言って。なにかあった?」と聞いた。
小梅は目を丸くしたが、すぐ俯き「何もないです。」と答えた。
優大は自分の額に手を当てた。
「小梅、流星には言わないから、話してみて。」優大はそう言ったが、小梅は首を縦に振らなかった。
優大はこれ以上何も言えず、ため息しか出なかった。
「小梅、ちゃんと食べれてる?寝てる?」優大の問いかけに小梅は首を振った。
優大は言葉を失った。
このまま小梅をほっとくと、倒れてしまうのではないかと感じていた。
「小梅、なにか食べれる?」また、小梅は首を振った。
すると、またフラッと目眩が起こった。
「危な…」優大は小梅を受け止めた。
小梅はなにか言おうとしたが、フラフラとしていた。
「とりあえず、今日は保健室で休んで。」優大の提案に小梅は頷いた。
◇◇◇◇
小梅の体調はどんどん酷くなって行った。
朝目覚めると、起きれないほどの目眩がしばらく続き、そして頭痛に時折吐き気が出るようになった。
それでも、学校では明るく振舞っていた。
学校で友達と会えば気持ちが軽くなった。
だが、体調には逆らえずしんどい日々が続いた。
身体には力が入らず、顔色も悪くなっていった。
「小梅ちゃん、元気なくない?大丈夫?」朱里は心配そうに小梅を見つめた。
すると「たかっち〜部活何時から?」と教室のドアから、優也の声が聞こえ、小梅は目眩に襲われた。
「大丈夫?!」真心は小梅を支え、座らせた。
「だ…大丈夫。ありがとう」小梅は目眩に襲われつつ、笑顔を浮かべた。
「小梅ちゃん、とりあえず水飲む?これ、さっき買ったものだから、口つけてないし」朱里はペットボトルの水を小梅に渡した。
「ありがとう」小梅は受け取ったり、少し喉に流し込んだ。
「熱は無さそうだけど…」真心は小梅の額に手を当てた。
「とりあえず、保健室行く?」朱里の言葉に小梅は首を振った。「大丈夫。ちょっと貧血気味なだけだと思うから」小梅は笑って誤魔化した。
◇◇◇◇
体調に影響が出てから、しばらくしたある日。
等々小梅の身体に限界が来ていた。
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