第13話 学校生活
お春休みに、昼食を食べながら「ねぇ、小梅ちゃんずっと聞こうと思ってたんだけど、そのネックレスって誰かに貰ったの?」と真心が聞いた。
ちなみに、小梅、真心、朱里、結愛、恵麻で昼食をとっているのだ。
小梅は自分の赤いハートが着いたネックレスに触れ「このネックレス?」と聞き返した。
「そうそう。肌身離さず持ってるから」「私も気になってた」と4人が頷いた。
小梅は「兄から貰ったよ。」と答えた。
『え?!お兄ちゃんいるの?!』4人共思わず声を上げた。
小梅は圧倒され「いるよ。写真見る?」と聞いた。
「見る!!」朱里は目を輝かせた。
小梅はスマホを操作しながら野菜ジュースを飲むと「この写真、私の兄」とスマホの写真を見せた。
その写真はカフェかどこかで撮った写真らしく、頬づえをつき笑顔を浮かべているのは雑誌の写真のようだった。
「かっこいい。小梅ちゃんに似てるね。目とか」「鼻も似てない?」「そう言われると口元も」「表情の作りが似てる」と4人はまじまじと写真を見つめた。
「なにしてんの?でっかい声出して」不思議そうに海斗と翔と尚也が話しかけてきた。
「見て!!小梅ちゃんのお兄ちゃんだって」「小梅ちゃんに似てるよね」朱里と恵麻は目を輝かせた。
「かっこいい。何歳なの?」海斗は小梅に聞いた。
「今年24だよ。」「てか、これどこか行ったの?」次は翔が小梅に聞いた。
「カフェで私の好きそうなスイーツがあるからって連れて行ってくれた時」小梅は2人の質問に答え、尚也に目をやった。
尚也も流れ的に質問するかと思ったが、やはり何も言わずに無表情だった。
ーー興味無いよね
そう思うと、小梅は苦笑した。
「めっちゃかっこいい」「マジで、ちょっとチャラいのがいいよね」朱里と恵麻がうっとりとしていた。すると、「俺だって、チャラいし?」「てか、彼氏いる前で他の男かっこいいとか言うなよ」と海斗が朱里を翔が恵麻にだる絡みを始めた。
「人前でイチャつかないでよ」結愛が面白そうに注意した。
小梅はその様子に笑っていると「ねぇ」と呼ばれ振り向いた。
そこには尚也が無表情で小梅を見下ろしていた。
「な、なに?」小梅はぎこちなく返事をした。尚也は小梅の机に目線をやると「昼食って野菜ジュースだけ?」と聞いた。
なんでそんなことを聞くのだろうか。小梅は戸惑い「そうだけど…」と答えた。
尚也は相変わらず無表情のままで「まぁ、いいけど。このままだと体調崩すよ」とだけ言い教室を後にした。
これは、心配してくれているのだろうか。まさか、目もあまり合わせてくれないあの尚也が。
小梅は嬉しい反面ため息を吐いた。
正直、食べる気がしない。
野菜ジュースとヨーグルトだけでもやっという思いで食べているのに。
すると「全く、俺だって彼女いないのにイチャつくなよ」と優大が苦笑しつつ、話に入ってきた。
「先生も彼女作りなよ」朱里にそう言われ、「できないんだって。まぁ、小梅の兄の流星だって彼女いないから、俺に出来ないのも仕方ない」と言い訳を貫いた。
「先生言い訳ですね」真心が確信をつき、優大は落ち込んだ。
「その時にチャンスだよ。たかっち」と朱里は海斗の背中を押し、スマホで撮影し始めた。
「先生〜テスト範囲狭くしてください〜♪」海斗が踊りだし、みんなは笑いに包まれた。
優大は「そのダンス飽きた。てか、勉強しろよ」と笑った。そして、「そう言えば、小梅。話あるからちょっといい?」と言われ小梅はビクッとした。
「小梅ちゃん、なにやらかしたの?」真心は小梅の挙動不審の態度に顔をこわばらせた。
「なにもしてないよ。真心ちゃん疑わないでよ」小梅はクスっと笑うと行ってくるねと教室を後にした。
◇◇◇◇
「お話ってなんですか?」小梅と優大は別室に移動し、窓側に優大はもたれかかった。
「単刀直入に言うけど小梅さ、なにか悩んでる?」と聞かれ、小梅はドキッとした。
「この前、流星と会った時に流星に心配された。今は忙しくて小梅と会えてないから不安だって。俺は小梅が何か悩んでる事に気づいてたけど、小梅のためにもとりあえず流星には黙っといた」優大の説明に小梅は少し頷き、「兄はお元気でしたか?」と話題を少し逸らした。
「元気だったよ。相変わらず能天気さは変わってなかったけど。」優大はの言葉に小梅は苦笑した。
「で、小梅。何悩んでんの?別に流星には言わないから」優大にサラリと聞かれ、小梅は少し躊躇った。
このまま言うのもいいが、個人的トラブルすぎる。
この悩みは必ず兄に報告が行く内容だろう。
小梅は「なにもないです」と笑顔を作って答えた。
優大は少し笑い「相変わらず、兄妹揃って似てるね」と呟いた。
小梅は驚いて目線を上げた。
「昼は野菜ジュースしか飲まなかったりして、体調崩すよ?」そして優大は「とりあえず、なにかあったら言いなよ。流星には伝えないから」と言い残し教室を後にした。
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