第11話 高校2年生の始まり

「えっと、私のクラスは...またE組?!」小梅はふふっと笑った。

「小梅ちゃん!!E組同じだよ!!それも出席番号私の前」「本当?後2年よろしくね〜」

ちなみに、この高校では2、3年と何故かクラス替えがない。

なので2年のクラスで全てが決まるのだ。

「行こっか」「うん」小梅と真心はE組のクラスに向かった。


◇◇◇◇


教室のドアに近づくと「どうも〜」と明るめの茶髪ショートカットの女子がスマホを向けてきた。

「E組でしょ?みんなに教室入る子達に一言言ってもらってる」ショートカット女子は軽く説明した。

小梅は苦笑し「一体、何時から来たの?それと、みんな結構喋ってる感じ?」と聞いた。「E組キャラ濃いのが多いからめっちゃ喋ってるよ」と答えてくれた。

「じゃあ、ここは小梅ちゃん。新しいクラスになった意気込みを」真心の無茶振りに小梅は少し笑いつつ「えっと、E組の濃い人達に負けっ…」と言ったが途中で噛んだ。

「噛んでるよ」真心は思わず笑った。

「すごい、緊張するね。えっと、負けないように卒業まで仲良くしたいです」「ありがとう。」ショートカット女子は明るくお礼を言った。

「そう言えば、あなた誰?」小梅は苦笑した。「ごめん、ごめん。私は川崎 朱里かわさき あかり。よろしくね」「よろしく〜。私は如月小梅だよ。」「私は、早乙女真心。よろしくね」3人はすぐに打ち解けて、一旦小梅と真心は教室に入った。


◇◇◇◇


「全員集まったね?俺は担任の佐久間 優大さくま ゆうだい。よろしく」最後に担任の先生が入ってきた。

担任は以外にも若く、大きめの白パーカーにサラサラの茶髪と生徒に紛れ込んでもわからないだろう。

「えっと、さっき朱里に撮られたんだけど、あんまいい事言えなかったから最後にはしないで〜」優大の言葉に教室は笑いに包まれた。

「え〜。じゃあ、誰最後にする?たかっち?」たかっちは、高松 海斗たかまつ かいとだ。

サッカー部で明るいが不真面目で勉強は赤点ばかりだった。

小梅より勉強ができないかもしれない。

「俺でいいけど。やっぱり俺天才だから」海斗の言葉に朱里は「私より点数悪いじゃん〜。天才とかないわ」と言い返した。

『どんぐりの背比べだろ〜』『てか、新学期早々イチャつくな〜』と周りから声が上がった。

会話から察するに海斗と朱里が付き合っているのを感じ取り、一応小梅は「朱里ちゃん、高松君?と付き合ってたんだね」前に座っている朱里に声をかけた。「たかっちでいいよ。後、俺達もう夫婦」海斗がそう言い出し、「俺だって彼女いないのに、この教室熱々すぎない?」と優大が文句を言った

「佐久間先生若いから彼女できるって〜」朱里はあははっと笑った。「わんちゃんクラスの女子狙ったら?」「捕まるわ。とりあえずって、えっ、如月小梅〜」急に名前を言われ、小梅は「はい?」と返事をした。

優大は小梅を見つめた。

「先生、まさかの小梅ちゃんに恋?!」朱里がきゃ〜っと黄色い歓声を上げた。

「うわ、早速かよ。」と海斗に続き「佐久間先生〜惚れっぽいんだ〜」とクラス中盛り上がった。

優大は苦笑し「違う。てか俺マジで捕まるわ。」とツッコミを入れ「如月小梅って、流星の妹?」と聞かれた。

小梅は目を丸くし「そうですけど、兄を知っているんですか?」と聞いた。

「俺、流星の親友。まさか、流星の妹担任するってな〜」優大は面白そうに笑った。

クラスは『え〜!!』と小梅と優大を見比べた。

「流星元気?」「元気ですよ。実家を継いで頑張ってますよ」「流石だな〜。てか、また会いたいって言っといて」「自分で言ってくださいよ〜」小梅がそう言うとまたクラスが笑いに包まれた。

新しいクラスは明るい楽しいクラスになりそうだ。

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