第6話 女友達は看病する

「入るわよ。だいぶ酷いみたいね。知ってたけれど、お母様とお父様に正式に看病を頼まれた時は凄く嬉しかったわ。ここまで信用されているなんて、ってね」


(体調が悪く、まともな返答すらできない)


「あらら、かなり悪そうね。とりあえず、熱冷ましのシート、貼るわよ」


(髪をかきあげられる)


「せっかくのカッコいい顔が台無しよ。まぁ、その顔を他の女に見せれなくなるなら、それもいいけどね」


(熱冷ましのシートを貼られる)


「それじゃあ、私は台所でお粥を作ってるから。何かあったら言わなくても、すぐに来てあげるから、気持ちよく寝て待っててね」



***



「あら、起きた? 気持ちよさそうに寝ていたから、寝顔で私のフォルダが埋まってしまったわ。とりあえず経口補水液飲んで、食欲はある? お粥は出来てるから、食欲があるなら、食欲があるうちに食べておいた方がいいわよ」


(弱々しく頷く)


「ん、食欲はまだあるのね。じゃあお粥持ってくるから」


***


「だ〜め、まだ全然体調悪いんだから! 私がフ〜ってして、冷まして食べさせてあげるから! 口を開けるだけでいいからね、私に全部任せて、身を委ねていればいいの」


(お粥を食べさせてもらう)


「……美味しい? まだ少し熱い? 次はもう少し冷ましてからあ〜んしてあげるからごめんね」


「はい、あ〜ん♡」


(お粥を食べ終わる)


「結構、お腹すいてたのね。一応、もう少しお粥は残っているけれど、まだ食べる?」


(首を横に振る)


「そう、じゃあ、安静に寝てなさい」


(洗い物をしに行くのか、部屋を出て行く)


***


(目を閉じるが中々眠れない)


「あら? まだ起きてたの?」


(冗談っぽく)


「寝れないの? なら、子守唄でも歌ってあげようかしら?」


(じゃあ、お願いしようかな)


「え? ほ、本当に言ってるの? ま、まままぁ、あなたが言うなら歌いますけど……」


(ベットに腰掛け、ポンポンと優しく布団を叩く)


「ね〜んね〜ん ころ〜りよ おこ〜ろ〜り〜よ〜……」


(彼女の歌声でだんだんと眠くなる)


「………もう寝ちゃった? そんなに私の子守唄が心地よかったのかしら」


「おやすみ、早く元気になってね♡」

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唯一の友達であり、オタク友達でもある彼女が僕の事が好きすぎるヤンデレだった マキマキ @makimaki0318

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