第5話 女友達は嫉妬する

(嫉妬に満ちた感じで)


「ねぇ、今日あなたが何をしたか分かってるの?」


{身に覚えがない}


「今日、二限目の数学の時間!」


{思い出せない}


「あなた、隣の席の女が落とした消しゴム拾ってたわよね?」


{そんな事もあったと思い出す}


「どうしてくれるの!? 私の彼氏がどこぞの馬の骨かも分からない女に好意を向けられてしまうじゃない!」


{それだけで?}


「それだけで、って思ったわよね、今。当たり前よ、私なら好意を向けてしまうのは当然のこと、なんなら、そのまま結婚までしてもらうわよ」


(思い出したように)


「そうそう、今日あなたが私以外の女と5回、5回も! 話していたわよね!?」


「私、知ってるわよ。あなたが隣の女に『何の本読んでるの?』って聞かれた時に、オドオドしながら鼻の下伸ばして会話してたわよね? それだけでもムカつくのにあの女も女で『へ〜、面白そう! 読んでみたい!』って」


(1回目から怒り全開で)


「ま〜さ〜か、『こ、今度貸してあげるよ』、なんて言ってないわよね!? ね!?」


「あなたが話して良いのは私とあなたのお母様だけなの、それ以外の女は全員危険だから!!」


{危険だから?}


「そうよ! 私とお母様以外は全て危険な存在なの!! 隙あれば、あなたを騙そうとしているのよ。分かってくれるよね? ね?」


「嫉妬? そうよ、嫉妬してるわよ! 私はあなたの彼女なんだから! 嫉妬して何が悪いの? 彼女としては当然の事じゃない!?」


「まぁ、あなたはさっき言った事を分かってくれれば、それで良いの。お願いね」


{次の日、どうしてか隣の席の女の子が顔がひきつっていて、その後一切話しかけてくれる事がなくなった}

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