第4話 女友達は埋めてる

(付き合うことになった次の日、昼休みの時間、いつもの空き教室に呼ばれた)


「昼休みにこうやって会うのは初めてかな? まぁ、座って」


(いつもの席に腰掛ける。目の前ではゴソゴソと何かを鞄から取り出す)


「じゃ〜ん! お弁当作ってきました〜! 開けて開けて〜!」


(渡されたお弁当箱を開ける)


「今思ったでしょ? 好きなものしか入ってないって。私はあなたの好きな物は何でも知ってるからね! もちろん食べ物も対策済みだからね!」


「はい、箸。ほら、早く食べて! 早く早く!」


(唐揚げを食べる)


「味濃いの好きでしょ? うちの秘伝のタレで味付けしてるからね、美味しいでしょ」


{何かに気づいて、慌てて言う}


「待って! ごめん、その箸、先っぽが少し欠けてる……」


(箸を取られる)


「本当にごめん! 欠けてる箸を渡すなんて……でも、箸がないと……そうだ!」


(弁当箱が彼女に持っていかれる、さっきまで彼女が使っていた箸で)


「はい、あ〜ん。……ほら、お口開けて?」


(恥ずかしさに耐えながら、口を開ける)


「どう? この卵焼き、いつもお醤油かけて食べてるから、少しかけてきたんだけど、しょっぱくなかった? いつもと同じ量かけてるんだけど……」


「これはどう? 一昨日、お母様に凄く美味しいって言ってた、目玉焼きのせハンバーグ。一昨日食べたのと同じでしょ? なんてったって、お母様に手取り足取り教えてもらったからね」


(突然の告白にむせてしまう)


「だ、大丈夫? ほら、お水飲んで」


(家に彼女が来ていたことすら母親に伝えられていないため、唖然としている)


「え? いつ家に来てたのかって? それはキョウノアサ……」


(朝、やけに母親がニヤニヤしていたのはこれのことかと思うが、それ以上にいつ母親と仲良くなったのかが分からなかった)


「あ、お母様とは凄く凄く仲良くさせてもらってるよ。まぁ、私がいいって言うまで連絡を取り合ってたのは秘密にしてたんだけどね。多分今日家に帰ったら質問攻めだと思うよ」


(話を聞くが理解ができない)


「私が連絡を取り合ってたのは3ヶ月くらい前かな? あなたと会ってから少し経ったぐらいだね」


(その後も話を聞いたが、分かったのは鍵のスペアを託すくらいには信用されている事だった)


「あっ、そろそろ午後の授業始まっちゃうね。じゃあ、また放課後! バイバイ!」


(1人教室に残されるが、すぐに彼女が戻ってくる)


「あっ! あと、お父様は早く結婚しろって言ってるよ!」


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