第5話 「ギルド結成」
~次の日~
俺達は宿に集まった。メンバーは、俺、クロム、ウルフ、リーフェの4人だ。ちなみに、パーティーの最大人数は4人だ。
「えーっと、そちらの方は?」
ウルフが困惑した表情でこちらを見る。リーフェはどこか緊張しているような表情だ。
「初めまして、クロムっていいます。ジョブは騎士です。」
「俺の親友だ。昔からの。」
「初めまして、僕はウルフです。ジョブはウォーリアやってます。」
「初めまして、私はリーフェです。ジョブは僧侶です。」
「OK!よろしく!二人共!!」
さっきとテンション違いすぎだろ。
「それで、これからのことだが…」
本題に入ろう。
「俺はこれから、『夜桜』に少しでも近づくため、ギルドを結成したいと思う。ギルドの最低条件の、『メンバーが3人以上』を満たしているため、これからギルドを作成する。リーダーは俺、副リーダーがクロムだ。」
「ギルドに入っている人は?」
クロムが聞く。
「いないな。行くぞ。」
そして俺たちは宿を後にした。
~ギルド~
「いらっしゃいませ。どのようなご用件でしょうか。」
「ギルドの作成だ。」
「ギルドの作成ですね。少々お待ち下さい。」
俺がギルドを作るのは初めてだ。
なんだか不思議な気分だ。
「ここにギルドに加入するメンバーの記入をお願いします。」
俺が名前を記入する。それに続き、クロム、リーフェ、ウルフが名前の記入をした。
「登録料金の銀貨10枚をお支払い下さい。」
1万円かよ。高いな。
「これでいいか?」
クロムが支払ってくれた。さすが漢見せるね!
「ギルドランクはFから始まります。ギルドクエストを一定数達成するとランクが上がります。3回同じクエストを失敗するとそのクエストは二度と受ける事ができません。そこからクエストを一定回数失敗すると、ランクが1つ下がります。リーダーが死亡、またはギルド内のメンバーの半数以上が死亡した場合、ギルドは自動で解散となります。ご注意ください。なお、今から配布する証明書は無くしてしまうと、ペナルティとして罰金は発生する場合があります。」
なるほど。意外にもシンプルなルールだ。もっと細かいもんだと思っていたが、違うんだな。
「ギルド名はどうしますか?」
ギルド名…どうしようか
「リーダー、頼んだぜ。」
「決めてください。クロスさん!!」
「クロス君、君がリーダーです。」
そんなこと言われたら仕方ねえなあ!!
「ギルド名は、『悪運のペガサス』だ。」
「『悪運のペガサス』登録完了。」
「やったー!」
「これで僕たちもギルド入り!!」
「よし!ギルド結成だ!!今日はお祝いに飲むか!!俺が奢るぞ!!」
「ありがとうございます!クロムさん!!」
さすがですねぇ~クロムさん!
ギルド結成記念だ。最高に盛り上がろうじゃないか。
俺達は酒場へ向かった。
~???~
「エリナ、『killer』の一つ目が何者かに破壊された。」
暗い部屋で男女が数名、何かを話している。
「すぐに新しい『killer』を送りなさい。場所は――」
「本当ですか?しかし、それだ…」
「やりなさい…」
女の声は、威圧感のある声だ。
男は困った様子で、
「わ、分かりました。『killer』を向かわせます。」
闇の中で光った目は、恐怖を感じる目つきだった…
~酒場~
「今日はギルド『悪運のペガサス』の結成記念だ!!今日は飲めェ!!乾杯!!!」
「乾杯!」「乾杯!」「乾杯!」
ここは初心者プレイヤーが多く集まる酒場だ。ここでプレイヤー同士の仲を深めたりする。
「まさかこの数日でフレンドが3人増え、ギルドまでつくるとは…」
クロム、ウルフ、リーフェ、3人ともいい奴だ。こんな俺と一緒に行動してくれる…
「ところで、明日はどうするの?」
…考えてもいなかった。
「クエストでもするか?お金稼ぎたいし。」
アリだな。俺も昨日の買い物でお金が無い。
「ギルドのクエストか、個人のクエストか…」
「ギルドのクエストは、お金を稼ぎやすいが経験値はあまり期待できない。ランクもFだからな。個人のクエストは経験値、お金を安定して稼げるがギルドメンバーが同時に稼ぎづらい。」
「ランクも上げるためにギルドクエストを受けるか。」
「おっ、そうだな」
「話変わるけど、みんな何歳?僕は21歳だよ。」
ウルフがそう聞いてきた。
「俺とクロスは24だ。」
「私は22です。」
みんな同じくらいか。
「僕が一番下なんだね!」
「意外です!もっと上かと思ってました!」
俺とクロムが一番上とはな…
まあ、年上として?頑張るかぁ…
まだまだ俺達の宴会は始まったばかりだ。
~次の日~
「う、う~ん」
頭がいてぇ…昨日、何してたっけ…
思い出せねぇなぁ。
そうだ…昨日酒場で…というか俺達酒場で寝てたわ。
店の人に申し訳ねぇ…
財布の中身はすっからかんだ。
昨日どんだけ飲んだんだ?
こっちの世界に来てから、味覚が共通となった。美味しいものを食べたら美味しいし、酒を飲んだら酔っぱらう。
そうだ!!みんなは?
俺と同じく寝ていた。
みんな酔いつぶれていた。
「うーん頭痛い…」
次に目覚めたのはウルフだ。
「あれ、ここどこ?」
彼も覚えていないらしい。
「昨日、みんなここで寝てたっぽい」
「え?まじ?」
「相当飲んでたっぽい…ほら。」
俺は何も入っていない財布を見せた。
「本当だ…取り敢えず、二人を起こそうか。」
そうだな。俺とウルフで二人を起こした。
「頭痛すぎ…」
「何も覚えてないです…」
二人もやっぱり同じだった。
「みんな、一旦店から出ようよ…店の人に迷惑だし…」
もう既に迷惑なんだよなぁ…
俺達は店の人に謝って酒場を後にした。
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