第4話 「お買い物」

 タウンに戻ってきた。まずは状況整理をしよう。

まず俺は、『夜桜』のメンバーに嵌められデータを全て失った。その俺のデータを使用し『killer』を作り上げた。『killer』に殺されそうになった俺達は謎の男に助けてもらう。といったところだ。

 今は宿でこれからのことを相談しているところだ。

「それにしても、あの男の人は誰だったのでしょう?」

リーフェがそう言うが、俺も分からない。

「僕も分からない。それに、クロス君が『夜桜』の人だったとは…」

「元、だけどな。言うのが遅れてすまない。」

まあ、言っても信じてはくれないだろう。

「全然いいよ!クロス君の話だと、『夜桜』の人に裏切られて初期化されっちゃったんだよね?」

「ああそうだ。」

「ねぇ二人共、何を話してんの?」

おっとリーフェを忘れていた。

「ああ、リーフェちゃんごめん!クロス君は、世界最強のゲーマーだったんだよ!」

「だった?」

「元、世界最強だ。ちょっと色々あってな…」

正直、話したくもない。

「ところで、これからどうする?」

決めていなかったな。

「クロス君は、これから『夜桜』の人達に復讐とか考えているの?」

何故分かった?

「…もちろんだ。」

俺の目は、絶望と憎しみで溢れていたはずだ。

「と、取り敢えずはギルドで情報を集めつつレベルを上げていこうよ。」

ギルドか…ありだな。

「じゃあ今日は解散だ。各々好きなことでもしてろ。」

「うん!」「はい!」

 何をしようか。

 さっきのクエストの報酬があるから、武器と防具でも買うか。

持ち金は銅貨1000枚。日本円で大体1000円くらいだ。

前も話したとおり、金貨=日本円で約1万円だ。銀貨は一枚1000円くらい、銅貨が一枚1円くらいだ。つまり俺は銀貨と同じ量の金を持っている。

 武器や防具を買ったら、あっという間に消えるな。

レベル15くらいまでジョブは変えずに行こう。

 俺は店が並ぶ方へと向かった。


~バザー~

 俺はバザーと呼ばれる場所に来た。バザールでござーる。

ここではプレイヤーが自分のいらないアイテムを出して、他のプレイヤーが買う。売上の60%が自分の収入だ。

 禁止事項としては、他の人のものや盗品は売らない。高すぎる金額で売らないといったところだ。ちなみに返品は不可。限定アイテムを出すことはできない。

色々見ていくか…えーっと、『白銀の剣』が金貨30枚か。結構状態もいい。適正価格だ。今の所持金で買えるのが…

『石の剣』かぁ…銅貨100枚。状態は普通と…だいぶ安いな!!

「買った!!」

【『石の剣』攻撃力10 スピード7 防御3 特殊効果 なし】

初期装備を見てみよう。

【『木の剣』攻撃力6 スピード5 特殊効果 なし】

大分違うだろう。ここで、『白銀の剣』を見てみよう

【『白銀の剣』攻撃力450 スピード570 防御300 魔法防御330 魔力200 特殊効果 反射】

けっこう違うのが分かるだろう。

この特殊効果というのがたくさんの種類がある。

火、水、土、光、闇など…

反射というのは、受けた魔術攻撃の40%を反射するものだ。

特殊効果を持つものには、属性が付いたものがある。今言ったように。

これは攻撃をしたときに属性を付与するものだ。

属性には得意不得意がある。あんまり詳しくないけどポ〇モンみたいな感じか?

 次に見ていくのは防具だ。

今着ている防具は無しだ。

色々見ていこう。

『ダイヤモンドの鎧』金貨120枚。状態は最高か…ちょっと安いくらいだな。

『革の胸当て』銅貨700枚。状態が普通か…

ステータスを見てみよう。

【『ダイヤモンドの鎧』防御400  魔法防御 440 スピード-80 特殊効果 なし】

鎧は特殊効果がついていない限りスピードが下がるものがほとんどだ。

チームの盾となる人物が装備するものがほとんどだ。

【『革の胸当て』防御6 魔法防御2 特殊効果 なし】

胸当ては鎧より防御が低めだがスピードが落ちることは無い。

攻撃役が装備する場合が多い。

 俺は『革の胸当て』を購入し、装備した。

 一応、武器屋も見ていこう。

俺は近くの武器屋に入った。

『石の剣』銅貨500枚 状態が普通だ。これならさっきの店で買った方が安い。

『革の胸当て』銅貨1000枚 状態がけっこういい。やっぱりさっきの店で買った方がいい。

 バザー、ショップで買うのは、それぞれメリットとデメリットがある。

バザーのメリットは、安価でアイテムや装備を買うことができる。デメリットは、時期によってバザーそのものが無い場合があるのと、品質があまり良くないのも多い。それに今回は運がよかったものの、欲しいものが無い方が多い。

 ショップのメリットは、品質のいいものを適正価格で買えるのと、基本的にほとんどのものが揃っていることだ。デメリットはバザーと比べて値段が高いことだ。

 どんなものもいいところ、悪いところがある。使えないものも、使いようによっては良いものへと変わるかもしれない。

 今日はいい買い物が出来た。そろそろ宿の戻るとするか。

そう思ったときだ。

「あれ?クロス?」

 声を掛けられた。

振り返ると、そこには昔からの親友、クロムが居た。

「クロム!久しぶりだな!!」

やっぱり、コイツは本当の親友だ。俺だと一発で分かったからな。

「レベルが低いぞ!何かあったのか?」

「ああ、『夜桜』の奴らにだまされたよ…データが全部消えた。」

「大変なときにデータ奪われたもんだな。」

「そうだよ(便乗)」

「俺に出来る事があったらなんでも言ってくれ。だけど、お金貸してはナシだぞ。俺も金欠なんだよ。」

やはりこの男、最高だな。

心強い仲間が一人増えた。

【クロムさんとフレンドになりました。】

「またよろしくな、クロム!」

「ああ、よろしく!クロス!」


クロス…6レベル クロム…20レベル リーフェ…4レベル 

ウルフ…11レベル


親密度 リーフェ→0.3 ウルフ→0.6 クロム→10(+10)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る