大洪水

緊急入院の初日は、そんな感じだった。

夕飯にありつけたのが、ありがたかった。


茶碗一杯のご飯に、もやしの酢の物が少し、野菜の煮物が少し、餡掛け豆腐が一切れ、果物でオレンジが一切れ。以上です。


『心臓食3』と表記された小さな紙がトレイに一緒に乗っていて、心不全の患者向けに塩分量を少なく調整してある食事らしい。


いや、心臓食て。書き方!

ホルモン系のゲテモノ料理かと。

まあ焼き鳥のハツとか大好きだけども。

ああ、焼き鳥食べたいよう。


初日の夜は、眠れなかった。


左腕にずっと点滴が刺さってチューブが伸びてるのもあるけど、利尿薬の投与で2-3時間おきに尿瓶に尿してるのもあるけども。また今後どうなってしまうのかなどの不安も確かに無い訳じゃないですが。


それよりも何よりも、同室にもう1人おじいさんがいたのだけれど、その人のイビキがうるさくてうるさくて、とても寝られない!


夕方からひっきりなしに訪れる尿意による大洪水と、おじいさんのイビキと咳込みの大音量に耐えながら、初日の夜は過ぎていった。

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