百鬼横闊《ひゃっきおうかつ》
「ジジジジ!」身固により体を隠していた滋岳川人と弓削是雄が放電を伴いながら姿を現した。
「識神顕現(しきじんけんげん)!朱雀(すざく)!」鬼の形相をした滋岳川人が式神を降臨させる。
翼を広げると20メートルはある鳳凰が舞い降りてきた。羽ばたくと黄砂の竜巻が発生。
唾毒の雨が鬼達に戻ってくる。「べべべべっ!」「あちっあちっ!あっち!」鬼達は唾毒の雨にやられ、焼け爛れながら右往左往している。
牛鬼胴体の上にいる源頼煌と四天王は式神朱雀を見ていた。
「式神の顕現は最強だが、陰陽師の生命を削る…。時はかけれぬ、仕留めるぞ!」
頼煌が檄を飛ばすと、すでに乙神烈火の接続は切れており、星熊童子に向け飛ぶ様に駆けていく。
「あちち!牛頭(ごず)!唾吐くのやめい!」星熊童子が牛鬼首の扱いに困っていた。
あまりの熱さに頭に来て思いっきり牛鬼首を地面に叩きつけた。
「ぶごごご!」牛鬼首の目が衝撃で飛び出しそうになる。
源頼煌と四天王は式神朱雀が巻き上げる黄砂の竜巻にのって、一の太刀を星熊童子に浴びせようとしていた。
頼煌と四天王が向かってくることに気づいた星熊童子は「うんしょ!」掛け声と共に地面にめり込んでいた牛鬼首を引っこ抜く。
「おのれ〜。平安武者!」星熊童子は鎖の先に繋いだ牛鬼首をグルグル回し、頼煌と四天王に向けて飛ばした。
牛鬼首は目が回り唾毒を引っ込めるつもりが止まらない。それを見た式神朱雀がさらに羽ばたき、投げた星熊童子の元へ牛鬼首が唾毒を撒き散らしながら戻ってくる。
「おいおい!何じゃこの風力は!首と唾毒がこっちへ来るぞ!」星熊童子とその周辺の鬼たちが慌てる。
「乙神烈火!」式神朱雀は天に還り、滋岳川人と弓削是雄は、式神朱雀が起こした黄砂の竜巻の中にいる源頼煌と四天王に光の速さで炎の命綱を5人に接続、5人の武者達を星熊童子の元へ飛ばした。
「あ〜れ〜!」坂上公時が急な方向転換に悲鳴をあげる。
一番にとどいたのが渡辺喬綱。
「将監神流・一文字(いちもんじ)!」神刀剣・鬼切で星熊童子に横一閃。
「ガキィ〜ン!」喬綱の刃を亡霊が妖刀で受ける。
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