第4話 私と犯人
――黄色――
またその色が見える。
ネグレクト、教育虐待、貧困、毒親、離婚、いじめ、不登校、ブラック労働――、報道で次々犯人の人物像が流れていく。
マジメな一面、明るい性格、日々の行動力、友人の多さ、高学歴、会社の同僚の評判は上場――。根暗で孤独、その悲惨な境遇から推測されるそういった誰もが思い描く殺人犯の人物像とはかけ離れた社会的実像にみな一様に驚く。
しかし、私は驚かなかった。
彼は私だった。私は彼だった。彼は一人だった。彼は孤独だった。たくさんの人間に囲まれながら彼は孤独だった。それが私には分かる。私には内側から彼の孤独が分かった。私は彼だったから――。
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