第37話 凶器③

遊戯室の柱時計が

コツコツコツと時を刻んでいた。



部屋で寝ていた西岡を起こして

半ば強引に遊戯室へ連れてくると

僕達は男女に別れて身体検査をした。

結果、

キッチンバサミは誰からも出てこなかった。



「無駄骨だったな・・」

西岡は目を擦りながら大きな欠伸をした。

「お嬢ちゃんの思い違いじゃないのか?

 第一、キッチンバサミの数なんて

 覚えてないだろ?

 それに初めから1か所だけ

 スペースが空いていた可能性も

 あるわけだろ?」

松平はそう言うと溜息を吐いた。

「そう・・ですね。

 そう言われると自信がありません・・。

 収納スペースが1つ空いていたので、

 つい、なくなったと考えてしまいました。

 皆さん、お騒がせをしてすみません」

塚本は申し訳なさそうに頭を下げた。


「ねぇ、

 まだ調べてない所があるわよ」

その時、不意に菅野が口を開いた。

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