第38話 凶器④

ベッドの上には

銀色に輝くキッチンバサミがあった。

全員の視線がソレに集中していた。


「何か言いたいことはあるか?」

松平がこの部屋の主である六条の方を

ギロリと睨み付けた。



遊戯室を出た僕達は

車椅子の塚本を1階に残して2階へ上がった。

そして一番手前の部屋で

クローゼットの中に隠された

キッチンバサミを発見したのだった。



「わ、わたしは・・

 こ、こんな物、し、知りません!」

六条が震える声で叫んだ。

「残念だが、

 知らんで済めば警察はいらんのだ」

松平が詰め寄った。

「わ、罠です!

 だ、誰かが私を【犯人】にするために

 か、隠したに違いありません!

 だ、だって誰でも

 へ、部屋に侵入できたじゃないですか!」

六条は必死に主張したが、

その言葉を信じている者はいないようだった。


「い、一旦、遊戯室に戻りませんか?」

このままでは埒が明かないと思った僕は

そう提案した。

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