第2楽章
第9話 ルール
応接室の柱時計が
コツコツコツと時を刻んでいた。
平原がその紙を読み終えた後も
誰も口を開かなかった。
彼女の口から語られたのは
今からここで開かれようとしている
常軌を逸したゲームについてだった。
参加者は
ペンション『コンチェルト』
に招待された8人の客。
ゲームは本日の14時からスタート。
そして
24時間経過後に勝者を決める。
つまり
ゲームの終了は明日の14時。
ゲームの内容は至極簡単。
参加者にはそれぞれ役職が与えられている。
役職は3つ。
・犯人
・市民
・探偵
各役職はそれぞれの目的達成を目指して
24時間を過ごす。
そして24時間経過後に
その目的達成状況に応じて報酬が支払われる。
役職はペンションに入る前に引いた
トランプによりランダムに振り分けられる。
スペードのカードは、犯人。
クラブのカードは、市民。
ハートのカードは、探偵。
各役職の目的と報酬について。
犯人の目的は市民と探偵を殺すこと。
その報酬は、
死者1人に付き3000万円。
探偵が死んだ場合には5000万円。
また。
犯人を除く全員が死んだ場合には3億円。
ただし。
探偵に見つかった場合は
報酬を受け取る権利を失う。
そして。
犯人は最低でも1人は殺さなければならない。
もし誰も殺せなければゲーム終了後に
その命をもって償うこととなる。
市民の目的は24時間生き延びること。
その報酬は生き延びた人数に
応じて均等に分配される。
1人生存の場合、その1人は1億円を受け取る。
2人生存の場合、1人当たり1億円。
3人生存の場合、1人当たり5000万円。
4人生存の場合、1人当たり2000万円。
5人生存の場合、1人当たり1000万円。
6人生存の場合、報酬なし。
探偵の目的は市民と同じく
24時間生き延びること。
その報酬は生き残った市民の人数に応じる。
市民が6人生存の場合、2億円。
市民が5人生存の場合、1億5000万円。
市民が4人生存の場合、1億円。
市民が3人生存の場合、9000万円。
市民が2人生存の場合、8000万円。
市民が1人生存の場合、7000万円。
市民が全員死んだ場合、報酬なし。
そして。
探偵は24時間を過ごす中で
犯人を推理して
中庭にある牢屋に
投獄することができる。
ただし。
牢屋を使えるのは一度きり。
報酬においての注意点。
ゲーム終了時に
報酬を受け取ることができるのは
一つの役職のみ。
その優先順位は
1.犯人
2.探偵
3.市民
である。
尚、すべてのカードの数字は連続している。
同じ役職のカードについても同様である。
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