アボルアの復興

「何を言ってるんですか。私もギルドやめてきましたよ?」

レアが急にとんでもないことを言い出したのだ。


「どういうことだ?ギルドって、給料高いんじゃないのか?」

「ただ、あなたたちと一緒に冒険したいと思ったから...」


と、そんなことがあり、仲間が増えたところで俺は言った。

「俺はもう勇者として生きたくない。だから、ルキとして扱ってほしい。」

俺がここに来た理由は、のんびり「勇者という身分を捨てて」暮らしたいからだ。


ひとまず、レアに新居を建ててもらうことに。

彼女は小人族の中でも建築に秀でていて、ものの数時間で豪華な新居ができた。

「無理してほしくないんだけど、ほかの建物も...」

「わかっていますよ。私もこの町には大切な思い出がありますので。」

彼女はある話をした。


アボルアは、昔は小人族と共存していたらしい。

それも、アボルアが魔族に攻められるまでずっと。

だから、彼女にとって古郷でもあるそうだ。

アボルアは自然に囲まれていて、木を大切にしている小人族にとってちょうどいい場所だった。

「だから、前みたいに自然に囲まれたほのぼのとした、あのアボルアを見たいんです。実は、勇...ルキさんやミルさんならきっとやってくれると思ったので、ついてきました。」


やはり、アボルアはいろんな人が復活を望んでいる。

もう少しのんびり暮らしたかったけど、まずはここを復興させてからだよな。

なんて俺はお人よしなんだろう、と思った一日だった。


頼れる仲間の協力で、2週間後にはついにアボルアの町が復活した。

ミルの力で、自然もある程度復活した。

レアは、俺たちが最終調整している間に前まで住んでいたアボルアの住民を呼んだ。

もちろん、俺の妹も。


「お兄ちゃん、ありがとう!」


彼女は街を見た瞬間俺にそう言った。

もちろん、アボルアの住民も俺たちを称賛した。


「案外、人を助けるのって悪くないかもな」


勇者や聖女、みたいな肩書があるからみんなが過剰に期待した。魔王を倒したのも、本当は私たちの本心じゃなかったのかも。だから、自分から助けることこそが、本当に意味のある人助けなのかな。


___

次回はその後を書こうかなと。

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