新たな地
俺たちがたどり着いたのは、アボルアという街だ。
ただ、みんなが思う街ではない。
数年前に魔族に攻められ、もうほとんど機能していない街だからだ。
俺たちがそこを選んだのは、誰とも接触しない場であるのもあるが、もう一つ理由があった。
「お兄ちゃん、お願いだから..アボルアをもう一度あの日みたいな街に戻してほしい!」
そう、俺の妹はアボルア出身。
そして俺は違う街...要するに、血が繋がっていないのだ。
それでも、妹というのは変わらない。アボルアも、俺の生まれた街と同じぐらい大切な街だ。
「ルキ...」
「そうだな...」
俺たちは最初、簡単に復興できると思っていた。
だが、いざ入ってみるとその時の悲惨さがわかる。
幸い、襲われたときに死んだ人はいなかったらしいが、街は死んだ。
改めて、ここを治さないといけない。そう決心した。
翌日。
早速俺は、街中に散らばっている瓦礫などを片付けた。
腐っても俺は勇者だったからな。力には自信がある。
一方ミルは、街中の溜まった悪い魔力を浄化していった。
魔物に襲われてから、長い時間が経ったからか、街中は深呼吸ができないほど空気が悪かった。
それもそのはず、魔物が街に溢れかえった=悪い魔力がたくさん発生したということだ。
そんな作業も、2日もあれば完了した。
次にやることといえば..
「まずは新居だよね。」
「でも、俺建築できないからなぁ。ミルはできる?」
「私もできないわよ。ずっと聖女のことで必死だったんだから。」
やっぱそうだよな。でもどうしよう...
「私のこと、呼びましたか?」
俺たちが悩んでいると、どこからともなく現れた少女がそう言った。
「君は誰...って、レアじゃないか。」
レア。彼女は、見た目は小さい女の子..だが、実際は俺たちよりも年上。
それもそのはず、彼女は小人族だから。
小人族は見た目の老化が恐ろしいほど遅く、そのうえ力持ちなのが多い。
そして、彼女は俺たちがお世話になっていたギルドの嬢だった。
「なんで君はここに?」
「あれから勇者と聖女が居なくなったって大騒ぎだったので、気になってきてみました」
「まさか、俺たちを連れ戻す気?」
脳裏に昔のことが頭をよぎった。
勇者が嫌で、何度も脱走しようとしたことがある。それは幼い頃だったから、我慢することができなかった。
だけど、何回も連れ戻され、「みんなに期待されている。決して裏切ってはならない」と言いつけられていた。
もう連れ戻されるのは嫌だ。
そう思ったが...
「何を言ってるんですか。私もギルドやめてきましたよ?」
____
また一人仲間が増えました。
彼女も幼少期は...
文章の見直しと風邪とかいうゴミみたいな症状のせいで遅れました。すみません。
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