第33話
空から、目当ての特徴の人物を探る。
視力を強化している今の私ならば、倍率を調整することで地上を歩く人物の毛穴までくらいなら見ることが可能だ。
さらに、追加の簡易術式をオンにすることで、壁1枚程度ならば透視もできる――はずなのだが。
「さすがに壁は無理か」
ニルヴァーナ魔法学校は名門と言うだけあって、校舎の壁面に魔術防御が成されていて透視は難しそうだ。
つまり、外に出ている人物や、廊下を歩く人物を窓越しに観察することになる。
探す人物はスキンヘッドに色眼鏡だという。
生徒でないなら服装も、制服とは違う筈だ。
きっと、雑に見回してもすぐに見つかるだろう。
衛兵の詰所でも、学園内に居ると言っていた。
つまり絶対にどこかに居る筈だ。
私は目を凝らす。
「……どこかな……?」
「さすがに、こんな空からじゃ一緒に探してあげられないわね」
肩に乗る
学園内に潜入して捜査しても良かったんだけどね
折角、魔術のリソースが充実しているこの領域を活かさない手は無い。
そう思って『空』を選んだのだ。
しかし。
「大丈夫……今見つけましたから」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます