白兵戦闘指南 Ⅰ

第16話

――さすがに、学生割引で半額にしても、1回の授業が家賃の20%というのは高額すぎると思う。

 それがたとえ、スールアと折半するとしてもだ。


 だから、1日分の授業は無料で実施することにした。

 まずは、それだけの金額を払う価値がある授業かどうかを見極めてもらおう。

 


 ◆ ◆ ◆ ◆ 



 というわけで1日目。

 学園の休業日の夕刻。


 私達は、ふたたび出会った森、その近くにある河原を陣取っていた。

 ここならば、休憩も可能だし、魔物に襲われても見晴らしが良いので対処がしやすい。

 そして、火照ったからだを癒すにも水辺が近くて最適だと判断した。


 スールアが『少女型人形40センチドール』を抱かえて見守る中。


 私とシエナは睨みあっていた。

 

 シエナの手には、刃をナマクラに変えたハルバードが握られていて。

 私の手には、同様にほぼ鈍器のような切れ味の両手剣ツヴァイハンダーが握られている。

 そしてシエナの材質はミスリルだが、私は鋼鐵スティールだ。

 


「……いったいどういう式の構築してんのよ」

 

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