第15話

「それなんだけど……」

 シエナの顔が陰る。

 少し雲行きが怪しい感じだ。

 もしや……今更破談……!?


「あんたの授業、授業料いくらなわけ? 悪いけど、あんまりお金が無くてさ」


 そうか、学生ならお金が無くて当然ですね。

 私は今、無職、なわけですが。前回の仕事の報酬が破格だったので、暫くは安く請けても問題はありませんけど。


「それなら学割しときましょう。50%値引きして、授業1日で、7500グラン。必要に応じて追加で日数を増やしてもらえば良いですし、支払いは試験の『合格』が決まってからの成功報酬、分割払いでも構いませんよ」


「合格できなかった場合は?」

 良い質問ですね、スールアさん。


「その場合の支払いは0グランです!」


 なんて良心的な価格設定でしょうか。

 前回の報酬総額を日割り計算して、日当を割り出したところ1日の授業料が15万グランでしたから。

 今提示した金額はその1/20程度の筈。

 これなら苦学生でも、気軽に受講できるでしょう。


「にしても……1日7500……か。5日で、寮費1か月分もあるじゃん……」


 あれぇ?

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