第13話

「御覧の通りよ。あたしたちは狐獣人ウェアフォックス薄血型ウィークブラッド。あたしの方がお姉ちゃんよ」

 シエナは、腰に手を当てて、胸を張って言い切った。

  

 顔が似ているので双子かと思っていたが、やはりそのようだ。

 そして、二人ともかなり若く見える。


 幼さのある端正な顔立ち。

 張りのある肌。

 髪質、醸し出される雰囲気。

 学園の運動用の制服だろうか?

 そのローライズから覗く太もも。

 すべてに若さが溢れている。


 そのうえ薄血型ウィークブラッドであることから、顔立ちも骨格も、外見の9割は人族に近く、獣らしい部分は少ない。 

 例えばヒトと大きく違うのは何と言っても、そのフサフサ。

 頭に生えた三角形のキツネ耳と、ゆらゆら揺れる大きな尻尾だろう。


 見ているだけで癒される毛並みをしている――。


「なに……? 狐獣人ウェアフォックスがそんなに珍しい?」


「ああ……いえ」


 目立つ獣耳と尾に見惚れすぎていたか。

 シエナに咎められてしまった。



 

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